振り込め詐欺などの手口を心理学を使って分析し、被害に遭わないようにしてもらおうという講演会が群馬県高崎市で開かれました。
「詐欺の心理学」と題したこの講演会は、16日に群馬県が開いたもので、心理学者で駒沢女子大学教授の富田隆さんが講師を務めました。子どもや孫を名乗る男が、会社でのトラブルなどのうそで金を要求してくる振り込め詐欺について、富田教授は「まず恐怖心をあおってから解決策に飛びつかせるという方法で、パニックに陥ると思考能力が低下するという人間の弱点をついた手口だ」と説明しました。また、有名な学者が推薦しているなどと言って商品を売り込む悪質商法については、「権威を示されると批判する能力が弱まるという人間の心理を巧みについた手口だ」と指摘しました。そのうえで、被害に遭わないために何かが起きた時に周りに相談できる人たちがいる環境を作っておくことが大切だと訴えていました。講演を聞いた太田市の60代の女性は「知り合いが振り込め詐欺の被害に遭ったのですが思い込みが原因でした。少しでもおかしいと思ったら、互いに話をできるようにしておくことが大事だと思いました」と話していました。