続・疑似科学へようこそ
2011/11/18 07:10:00

[info]メカAG
  Life is beautiful: 放射性物質の風が吹くと「えせ科学屋」が儲かる
  http://satoshi.blogs.com/life/2011/11/%E5%8E%9F%E7%99%BA%E4%BA%8B%E6%95%85%E3%81%8C%E8%B5%B7%E3%81%93%E3%82%8B%E3%81%A8%E3%81%88%E3%81%9B%E7%A7%91%E5%AD%A6%E5%B1%8B%E3%81%8C%E5%84%B2%E3%81%8B%E3%82%8B.html

EM菌による除染効果はないという話。放射線は核反応であり、EM菌による化学反応で無害化できるわけがないという主張。全くその通りなのだが、疑似科学をなめちゃいけない。ジャジャジャジャーン「生体内元素転換」!

  生物学的元素転換 - Wikipedia
  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%9F%E7%89%A9%E5%AD%A6%E7%9A%84%E5%85%83%E7%B4%A0%E8%BB%A2%E6%8F%9B

生体内で原子が別の原子に変化するのではないか?という古くからある説。基本的には正統科学では現在は全否定されているが、「いや、元素転換は起きている!」と主張する疑似科学は少なくない。広い意味では常温核融合もこの仲間だろう。

原子が別な原子に変わるというのは核反応そのものなわけで、それなら放射性物質を他の無害な物質に変えることも不可能ではない。

   *   *   *

で、常温核融合という疑似科学に色気を出している人が、

  Life is beautiful: 原発どころか火力発電所まで不要にする夢のエネルギー、E-Cat
  http://satoshi.blogs.com/life/2011/10/e_cat.html

EM菌による生体内元素転換を全否定するのもなんだかな、と思ってしまう。少なくともE-Cat云々言っている人が、EM菌による除染を信じる人を笑えないと思うけどな…。

   *   *   *

ちなみに下記のブログは「EM菌で放射能が1年で15%減った」の15%の由来を推測していて面白い。

  科学的・論理的な姿勢で原発の廃止を求める原発懐疑派のブログ  「EM菌で放射能が除去できる」は真実かデマか
  http://genpatsukaigi.blog59.fc2.com/blog-entry-4.html

元を遡るとチェルノブイリでのロシアの科学者との共同研究らしいが、そのロシアの科学者が言ったのは「植物への吸収量が15%減った」という意味ではないかと推測している

EM菌の提唱者の比嘉照夫って琉球大学名誉教授なのか。そういえば常温核融合はアメリカのユタ州だった。やっぱこういうのは中央よりも地方の片田舎から発祥するものなのだろうか。

   *   *   *

さらに余談だが、俺の放射線関係のエントリではほとんどチェルノブイリの話を取り上げてない。俺のスタンスは基本的に「放射線は危険でなくはない(=危険だ)」というものだから(でも原発は推進派だが)、チェルノブイリのデータを引き合いに出せば、いくらでも盛大に放射線の恐ろしさを訴えられて好都合なのだが…。どうもチェルノブイリにまつわるデータは全般的に信憑性が怪しいものが多くていけない。


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