湯崎英彦知事と広島市の松井一実市長は17日、県庁で会談し、二重行政の解消や就労支援、平和貢献などの分野で、県と市の連携を図っていくことで合意した。トップ会談は松井市長が就任してから2回目。
非公開の会談で意見交換をしたテーマは、▽平和貢献に向けた取り組み▽県市一体の就労支援対策▽二重行政の解消など県市連携▽市内中心部の活性化--など。湯崎知事は「基本的には全て県市の連携の問題」との見解で、▽担当課長レベルの国際平和推進連絡会議設置▽就労支援を巡る市の協議会に県も参画▽県市連携のあり方研究会設置▽市が来年度設ける広島西飛行場の跡地利用を巡る検討会議(有識者や地元住民らで構成)に県も参画--の項目で合意したという。
県市連携のあり方研究会は、県と政令指定都市の事業を巡る二重行政の解消などを協議する。松井市長は「行政が効率・効果的にやれるようにできる。合致する課題や項目を探して検討し、何を重複というかも議論したい」と期待。湯崎知事は「住民から見て良いサービスを作っていくという共通理解があるので良かった」と話した。
また、広島市中心部の活性化について、平和記念公園を訪れる観光客らに市中心部や県内の他の地域に足を運んでもらうなど、広域的な波及効果や中心拠点性の強化につながる取り組みを巡り、連携して検討したいとの意向を湯崎知事が示したという。
両者初めてのトップ会談は今年5月で、広島西飛行場の廃港とヘリポート化が決まった。前任の藤田雄山知事と秋葉忠利市長の時代には、04年5月以後は公式会談が開かれず、人事交流なども途絶えた冷却した関係が続いていた。今回は「ざっくばらんに、和やかな雰囲気で」(湯崎知事)話し合いが進んだという。会談に同席した市職員は「トップの合意があれば、いろいろと物事を進めやすくなる」と話していた。【加藤小夜、矢追健介】
トップ会談後の取材では、大阪府知事選・市長選で争点になっている「大阪都構想」に絡む言及があった。
松井市長は、県と市の二重行政解消などを目指す協議を始めることに絡み、「こんな対話ができるかどうかの違い(がある)。必ずしもべったりではないが、市民、県民サービスの視点で行政展開していくことが共通だという話を(湯崎知事から)いただいた」、湯崎知事は「話し合いをしながら最適解を見つけよう、信頼関係をベースにした仕組みを作ろうとしている」と語り、“大阪との違い”を強調した。【加藤小夜、矢追健介】
毎日新聞 2011年11月18日 地方版
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