韓国軍消息筋は「韓国の防衛産業の輸出増加に対し米国がデリケートな反応を示し、米国の技術支援で作られた韓国製兵器の輸出を強くけん制しているのは事実。しかし、米国国内の事案を捜査するFBIの関係者までが韓国を訪れ調査を行ったというのは、常識的にもあり得ない話で、特定勢力が米国製兵器の輸入に対する拒否感や反米感情を高めるため、誇張されたうわさを広めた可能性がある」と語った。
このように、韓国を舞台として各種の逆情報までが出回っている理由は、韓国が世界第3位の兵器市場に浮上したからだ。韓国政府は、来年10月だけでも、10兆ウォン(約6800億円)を超える兵器導入事業の機種決定を行う予定だ。
来年10月中に機種決定が行われる主な事業は、8兆3000億ウォン(約5640億円)規模の空軍次世代戦闘機(F‐X)第3次事業と、1兆8000億ウォン(約1223億円)規模の陸軍大型攻撃ヘリ(AH‐X)事業、それに5500億ウォン(約374億円)規模の海軍海上作戦ヘリ事業など。これらの事業には、米国と欧州の企業がそれぞれ参加し、激しい競争を繰り広げている。このうち規模が最も大きいF‐X第3次事業では、欧州のユーロファイター社が破格の技術移転や国内生産の条件を提示し、積極的に参入している。これに伴い、韓国の兵器市場をめぐる米国と欧州の企業間の競争が、ますます激しくなっている状況だ。
韓国市場をめぐる欧米企業の総力戦には、各国の国防予算が大幅に削減され、自国の兵器市場が大幅に縮小したことも影響を及ぼしている。米国は、今後10年間で3500億ドル(約27兆円)の国防費を削減する方針だが、さらに6000億ドル(約46兆円)が追加削減される危機に直面している。英国やドイツなど欧州では、1990年代の冷戦終息後、国防費の削減が続いており、中でも英国は軽空母や垂直離着陸(VTOL)戦闘機などを競売にかけるほどだ。韓国政府消息筋は「欧州企業の一部は極めて厳しい状況にあり、韓国にとっては、先端技術の移転や企業の吸収・合併の良いチャンスになり得る」と語った。
最近ソウルに出回っている虚偽のうわさとは別に、在韓米国大使館には現在、一般職員を装ったCIA要員などが常駐し、韓国の兵器開発や防衛産業の輸出を追跡・監視しているという。また欧州各国も、同様に情報収集活動を繰り広げている、と防衛関連企業の関係者たちは伝えた。