蹴球探訪
森雅史氏の「平壌43時間」ルポ(11月18日)
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【大相撲】稀勢の里、鶴竜を押し出し 連敗回避で1敗守る2011年11月19日 紙面から ◇九州場所<6日目>(18日・福岡国際センター) 大関とりの関脇稀勢の里(25)=鳴戸=は、関脇同士の一番で全勝の鶴竜を力強く押し出し、連敗を免れ5勝目を挙げた。新大関琴奨菊(27)=佐渡ケ嶽=も臥牙丸に上手投げで快勝し、阿覧を下した横綱白鵬(26)=宮城野=とともに初日から6連勝とした。 大関とりへ絶対に連敗は許されない全勝の鶴竜との関脇対決。大きな山を迎えた稀勢の里には、ひょっとして亡き師匠の声が聞こえていたのかもしれない。 「昨日の相撲じゃ師匠に怒られますから」 場所が始まって以来、一切口を閉ざしてきた先代の話題を自分から話し始めた。それは中卒15歳で入門して以来、故鳴戸親方(元横綱隆の里)から体にたたき込まれてきた教えを自力で表現できた充実感なのだろう。ゆっくりとした口調で取組を振り返った。 「昨日はだいぶ力が入っていた。しっかり反省してきょうは立ち合いもうまく当たれたと思う。懐に入られないようにうまく取れた。強引にいくと逆転を食う。相手をよく見ていけた」 立ち合い直後、鶴竜の張り手が3発入ったが、微動だにしない。逆に右の強烈なのど輪が決まって形勢逆転。左に回って逃げようとする相手を落ち着いて的確な突き押しでとらえ、万全の押し出しで1敗をキープ。 部屋を継いだ鳴戸親方(元前頭隆の鶴)も「師匠は“心が乱れると相撲に出る”とよく話していました。きょうの相撲を見ればそれを思い出してくれているんだと思う」と成長をたたえた。 来月の14日、先代をしのぶ二所ノ関一門葬が営まれることが決まった。報道陣から「師匠が怒ってくれた声は“もっと前へ出ろ!”ですか」と問われ「そんなに優しいですかね」と首を振りながらもどこかうれしそうに目を細めた。これまで課題にしてきた連敗癖を自らの力で一掃。あらためて大関昇進を天国の師匠にささげる決意を高めた。 (竹尾和久) PR情報
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