2011年5月16日10時17分
「心まで壊されてたまるか。」――津波で大きな被害を受けた岩手県釜石市の市民の姿に、力強い言葉を添えた13枚のポスターが反響を呼んでいる。
がれきの町や避難所にいる市民の写真に、「前よりいい町にしてやる。」「夢は勝つ。かならず勝つ。」などのコピー。すべて「復興の狼煙(のろし)ポスタープロジェクト」のポスターだ。
製作したのは「沿岸部の人たちに何かできないか」と考えた盛岡市の広告会社の男性と同僚有志、友人の都内のカメラマン。3月22日から釜石市で撮影し、感じたままの言葉をつけた。
釜石市の人たちを見た人が「自分も一生懸命やろう」と思ってくれることが、復興につながる。男性たちはそう思っている。
約30の企業・団体の協賛を得て約1400枚を印刷。県内を中心に貼り、ネット上(http://fukkou-noroshi.jp/)でも公開した。
国内外から「感動した」「貼りたい」という反応があり、13枚セット(約52センチ×36センチ)を3675円で売り、収益を義援金にする。
「しおれてちゃ男がすたる。」というポスターに登場した市職員の佐野仁(まさし)さん(45)は「人間は立ち直れる。それを俺たちが発信しなきゃ」と言った。(高重治香)