声優道

超ベテラン声優からあなたへ、声優になるための極意を伝授します。

「清水マリの声優道」 第3回は11月30日配信予定!! お楽しみに★

三ツ矢雄二の声優道

音響監督から編集長、はたまたバンドのキーボードまで……? なんでもこなすマルチ・プレイヤー、三ツ矢雄二さん。『タッチ』の上杉達也から『キテレツ大百科』のトンガリまで、声優業でもこれまた手広い。
いい演技を生むのは、浅くてもいいから広い知識。今でも出ている週刊誌はほとんどすべて読みあさっているという三ツ矢雄二さん。彼の思い描く、理想的な声優の姿とは――? 使い捨てではなく、長く必要とされる声優になるために、今、この瞬間から始められることがある!

プロフィール

三ツ矢雄二 みつやゆうじ……10月18日生まれ。愛知県出身。コンビネーション所属。主な出演作は、アニメ『タッチ』(上杉達也)、『キテレツ大百科』(トンガリ)、『ガラスの仮面』(桜小路優)、『超電磁ロボ コン・バトラーV』(葵豹馬)、『それいけ!アンパンマン』(カツドンマン)、映画『アマデウス』(モーツァルト)、『ライオンキング』(ティモン)、『リロ&スティッチ』(プークリー)ほか。

②演技の幅を広げるには!?

 

編集長? 音響監督? マルチな才能を発揮

三ツ矢雄二

 90年代にあった『ソワレ』という演劇雑誌から「アドバイザーになってほしい」という依頼が来ました。そして、その仕事を始めるわけですけど、僕はけっこう器用貧乏なんで、あれこれとやってしまうんですよね。気がついたときには、編集長になってしまっていました。さらに、声優学校の声優養成コースが開設されるにともない、コースのカリキュラムを考えたりだとか、『るろうに剣心』で音響監督をさせていただいたりとか、声優業以外にもあれこれと手を広げていったんです。他にも、SMAPのミュージカル『聖闘士星矢』の脚本を書いたりしましたね。
 このころから、未経験者を育てていきたいという気持ちが沸々とわいてきました。僕は「演技を学ぶには、体を動かさなくてはいけない」と思っています。ジャンプをする「はっ!」でも、実際にそれを意識しながらジャンプしたことがある人とない人とでは、ぜんぜん違います。いい演技からは、筋肉や細胞の動きが見えてくるんですよね。

 野沢雅子さんがおっしゃっていたのですが「二次元に命を吹き込むのだから、演技に命がなくてはいけない」というのは、真理です。ただ口の動きに合わせている演技ではいけません。実際に動き、どう演じるべきか、なぜそう演じるべきなのかを考えていかなければ、生きたセリフにはなりません。「こういうキャラだから、こういう声で、こういう言い方」みたいな、演技のひな形ができてしまっているようなところがありますが、どんどん自分なりのトライをし、自分だけのキャラにしてしまってもいいと思います。
 僕は『キテレツ大百科』でトンガリをやるとき、最初のテストの段階で音響監督さんから「三ツ矢さん、無理しないでください。長く続くんですから」と言われてしまうくらい、やりすぎるところからスタートしました。とにかく、守りには入らない。チャレンジすることによって自分の演技の幅が広がっていくわけですし、演技の幅が広がれば、キャラクターが育ちます。トンガリも、はじめはセミレギュラーと言われていたんですが、最終的にはシリーズ通して欠場が1回のみのキャラになってくれました。 機会があったら、アニメの第1話と最終話で同じキャラを見比べてみてください。もしどちらの演技もまったく同じで変わっていないとしたら、それは悲しいことだと思います。それは、長期間やっていたのにも関わらず、そこに創意工夫がなかったということですからね。

 

ムダをたくさんすることが、成長へのいちばんの近道

 

  

 

三ツ矢雄二

 養成所によって教え方に色があるわけなので、その色の演技になってしまうことがあるんですよね。ただ教えられたことだけをやっているのでは、個性的な演技はできません。テクニックは、教わってうまくなります。しかし演技は、自分が意識しないとうまくならないんです。
 たとえばアニメを観るなら、とにかくたくさん観ればいいと思います。ですが、楽しんでいるだけではダメ。常に頭の中にクエスチョンをもってください。声優を目指している時点で、もうただのファンとは少し違うんだという意識でしょうか。「なぜうまいんだろう?」「なぜへたなんだろう?」「なぜグッときたんだろう?」――なんでもいいから、自分なりに解釈してみるところから、あちこちに興味を広げていけばいいのだと思います。
 僕はとにかく「浅くてもいいから広い知識」というものを大事にしています。今でもほとんどの週刊誌は読みあさっていますし、気に入った本や、ベストセラーになった本はすべて読むようにしています。DVDも、気になったものは片っ端から観るので、400枚くらいもってるんじゃないかな。

もちろん自分の楽しみのためにやっている部分もあるんですが、こうやって得た知識を自分の中で整理しておくと、あとでものすごく活きるんですよね。自分とは違う時代や、自分とは違う性格のキャラクターを任されたとき、整理された知識の中に答えが見つかったりするものだからです。
 たとえば、声優は基本的に仕事を選べないわけですが、いきなり「じゃあ歌舞伎の見得を切ってください」と言われた場合、知らなかったらできないわけですよね。極端な話ですが「ゲームやアニメ、PCの話題くらいしか話せることがない」というのは、そのくらいしか演技の幅がないということ。ですから、なんだかムダなように思えても、とにかくたくさんムダをすることじゃないかと思います。そのムダがあとあと、声優としての幅を決めることになるはずです。



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