キリスト教会からのコメントなど |
勝訴報告
◇個人と家族の人権を守る横浜事件 判決 2004年8月31日(火)午後1時10分
東京高裁822号法廷
全世界の統一協会問題の被害者の方々の注視のなかで高裁判決をいただきました。地裁での勝訴からさらに当方弁護団の主張を認定していただいた勝訴でした。統一協会では運動論的な判断で最高裁に上告することが予想されますが、事実審理は終了しておりますので、今回の勝訴でほぼ完全勝訴は確定したと思われます。
この裁判の闘いのなかで、大きく統一協会問題への取り組みは前進しました。わたくし自身は統一協会教義への理論的な批判や教祖物語の史的検証などに一層精緻な検証を積み重ね、徐々に発表してゆく予定です。
今後ともご支援をお願い致します。
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勝訴というが、その実態は何だろうか。前進というよりはむしろ後退ではないだろうか。
それでは「差し止めの内容」とはなんなのか。
事実及び理由
第1 請求
1 被告らは,原告Aに対し,暴行,脅迫,拉致,監禁及び暴行,脅迫,拉致,監禁,面談,電話等の方法を用いて,同原告が信仰する宗教の棄教の強要をしてはならない。
被告らの主張のとおり、今回の保護監禁拉致説得で「違法な行為はしなかった」とすると、次に同様に「合法」な保護・話し合いをしても、偽装脱会されてしまうだろう。
もしも将来、被告らが偽装脱会を目的とせずに話し合いをしようとすると、当然「違法な手段」はとれないので「合法な手段」しかない。
だが、「合法」な手段では今回のように偽装脱会されるという結論が見えているので、「違法な手段」をするしかない。
しかし違法な手段は違法であるがためにとることが出来ない。こうして説得する側はジレンマに陥る。
不当な提訴、不当なもの、不当不当とムキになっている印象さえあるが、何か理由があるのだろうか。
少なくとも、判事事項の要旨には、「信教の自由,婚姻の自由等の権利に基づき,<中略>,共同不法行為に基づく損害賠償請求権に基づく<中略>遅延損害金の連帯支払を求め,<略>原告Bが,<中略>,共同不法行為に基づく損害賠償請求権に基づく損害賠償金<略>及び<中略>原告Aと同様の遅延損害金の連帯支払を求めた事案」となっている。不当な提訴とはどこにも書いていない。統一教会員には裁判を受ける権利がないのだろうか。
それに「宗教法人」は提訴していない。原告はあくまで個人である。この議長は訴状を見たのだろうか。
またUCは実名で、固有名詞で出ているが、被告らの協会は、甲・乙で伏字になっている。これは裁判所による差別ではないだろうか。
また、UCが問題を起こすと、どうして信者個人が「話し合い」をする必要があるのか。責任者が問題なのではないのか。
いちおう、両親の努力を労う文面ではあるし、勝訴判決であっても家族にとっては解決ではない、ということには気づいているらしい。
ところがタイトルと文頭に完全勝利おめでとうと書いてある。これはいったい誰を見て言ってるのだろうか。
たとえ勝訴であっても家族にとっては解決ではないということを心の底から痛感するとき、「完全な勝利」などどこにもないとは思わないのだろうか。
本当は家族のことなど考えていない。家族の苦しみではなく、教会の内輪の繁栄しか考えていないのではないだろうか。
また家族の側の支援者らも、内心では違法な拉致監禁だという意識があるからこそ、「原告請求棄却」という判決に喜んでいるのではないだろうか。
しかし、何度も言うように、「違法」を合法と言いくるめた結果が「偽装脱会」と「提訴」ならば、被告は判決がどうであろうと、敗北したのである。
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■1999年4月13日 日本基督教団統一原理問題全国連絡会 声明
声 明
1世界基督教統一神霊協会(以下「統一教会」と呼ぶ)は、1999年1月6日にK牧師、S牧師を、原告の家族、親族、知人と共に訴え、損害賠償を求めて横浜地方裁判所に訴状を提出した。
22月12日にはS牧師と原告の両親を共に訴えて、東京地方裁判所に訴状を提出した。
3この2件の提訴はきわめて不当なものである。
4もとより、統一協会は1960年代に日本において、活動し始め、1960年代は「親泣かせの原理運動」として世間を騒がせ、1980年代は「霊感商法」で社会問題となり、1990年代は「合同結婚式」で社会問題となった。
5これらは家族を分断すると共に、多額の献金をさせたり、物品を購入させて財産を奪う、きわめて悪質なものである。
61980年代に日本基督教団(以下「教団」と呼ぶ)は全国各地からの、統一協会に子どもや配偶者などを奪われた家族による教会への相談が急増し、「霊感商法」が社会問題化し、統一協会問題として対応しなければならない事態となった。
7教団は切実な家族の思いを真摯に受け止め、各教区がこの問題に関わるようにした。
81986年開催の教団総会において「世界基督教統一神霊協会・原理運動についての声明」を決議し、社会に多大な被害を及ぼしている社会問題として、その解決のために関わることとした。
9実際、統一協会は「青春を返せ裁判」や合同結婚式参加者の「婚姻無効」、献金、物品購入代金返還請求の裁判等が元統一協会員より多数提訴されている。
10すでに、献金、霊感商法による裁判では、福岡地方裁判所、高松地方裁判所、奈良地方裁判所、東京地方裁判所、仙台地方裁判所で違法判決が下され、さらに、福岡地方裁判所、及び東京地方裁判所の判決は最高裁判所において支持されている。
11また、「婚姻無効」についても福岡地方裁判所の判決は最高裁判所において支持されている。
12そして、今なお多くの裁判が全国各地で行われているのが現状である。
13統一協会が今日まで社会に対してさまざまな問題を起こしたにもかかわらず、黒鳥、清水両牧師を訴えることは暴挙である。
14このような統一協会による不当な裁判に対して徹底的に闘う。
15また、統一協会の虚偽性については裁判において徹底的に明らかにし社会に訴えていくことを表明する。
1999年4月13日
日本基督教団統一原理問題全国連絡会
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■2004年1月23日、教団新報 日本基督教団 議長メッセージ
裁判完全勝利おめでとうございます。
1裁判完全勝利おめでとうございます。
2不当な提訴を受け、長い裁判を闘ってこられたK・S両牧師、そして何よりもご両親の努力に敬意を払います。
3統一協会による霊感商法等の反社会的行為、そして不法な勧誘によって引き起こされる人格的侵害、家庭破壊等は世にあまねく知られているところであります。
4私ども日本基督教団は、このような被害を受けておられる方々の苦しみを共に担い、その相談にあずかり、解決に努力することを教団として決議しております。
5K・S両牧師は、日本基督教団の牧師として、誠実にその働きに取り組んでこられました。
6この働きに対する統一協会による今回の横浜地方裁判所への提訴、その他さまざまな攻撃は、何よりも両牧師の働きがいかに大きく力強いものであったかを裏付けるものであります。
7今回の勝訴により、この攻撃が不当なものであったことが法廷で確認されました。
8しかしなお、今後も控訴されることが予想されます。
9まだまだ戦いは続くでありましょう。
10両牧師の戦いの上に、主の力強い励ましのありますことを祈ります。
11しかし、勝訴の判決があったとはいえ、ご両親ご家族にとっては何の解決が与えられたものではないことを深く憂えるものであります。
12統一協会によつて家族が引き裂かれた苦しみ、悲しみは想像を絶するものであります。
13私たちは何よりも本当の解決が与えられることを心から願っております。
14なお苦しみの中にあるご家族に上に、主の慰めが豊かにありますよう祈るものであります。
二〇〇四年一月二三日
日本基督教団総会議長 山北宣久
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■キリスト新聞2004年2月7日
K・S牧師 全面勝訴 原告の訴え いずれも棄却
東京・浅見裁判に続く勝訴 横浜地裁判決
傍聴席から拍手と歓声
1世界基督教統一神霊協会(統一協会)の女性信者が、統一協会脱会の強要や拉致監禁されたとして、女性の両親やK(日基教団T教会副牧師)、S(同
N教会牧師)両氏他を女性の夫と共に訴えた裁判(横浜裁判)で、1月23日、
横浜地方裁判所(松田清裁判長)は原告の請求を棄却、被告側が全面勝訴した。
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