核融合発電のコスト
テーマ:テクノロジー核融合炉は、太陽の中心を地球に持ち込むようなものです。
1億5000万度の高温のプラズマを磁場で抑え込むか、毎分600個のミニ水爆を爆発させるのです。
太陽表面の温度は6000度程度ですが、核融合が行われている太陽中心ではこんな高温なのです。
その熱がジワジワと数十万年かかって表面に達するというわけです。
6000度で核融合ができれば苦労はしないのですが。
ミニ水爆はもうじき実証実験に向けてスタートしますが、ペレットの作成というのが実はとんでもなくコストがかかるそうです。
6個のペレットを作るのに600万ドルもかかるんだとか@@;
なんでそんなにかかるかというと、理由は2つあります。
1つは、二重水素・三重水素を作るのが大変なのです。
二重水素も三重水素も普通の水素や水分子の中にわずかに含まれています。
元になる水素がふんだんにあるので資源量は無尽蔵といわれています。
しかし、取り出すのが難しいのです。
次にペレットの問題です。
ペレットは完全に球形でなければなりません。
そうでないと中の圧力があがらずに核融合反応が起こりません。
したがって、核融合の実証実験に成功してもペレットのコストが下がらなければ実用にはならないのです。
だって一分間に6億ドル(54億円)燃料代がかかる発電所を誰が建設しようと思いますか?
ダイダロス計画では1秒間に250個のペレットを3.8年燃やし続けます。
ざっと300億個のペレットが必要です。
3×10の16乗ドルの燃料代です。
重水などを水から抽出するんじゃなくて、リチウムを核分裂させて取り出す方法もあります。
核分裂炉で核融合の燃料を作りながら、発電もする。そしてできた燃料で核融合発電をする。
この組み合わせはなかなかコスト的にはよいようです。
2050年までにビル・ゲイツ氏のベンチャーと東芝が作る新型原子炉が活躍していたら「核融合炉なんて要らない。」と言われるかもしれません。
結論的に核融合発電の実用化は非常に困難かもしれません。