山口県周南市の大手総合化学メーカー「東ソー」南陽事業所で13日に起きた爆発事故で、同事業所は18日、発がん性のある有害物質「二塩化エタン」が徳山湾に流れ出したと発表した。水質汚濁防止法などの規制値の最大155倍に達していたが、17日夜、排水を止める処置をして、現在は規制値に近づいている。同社は流出量から健康被害はないとみており、魚への被害通報もないという。
同社によると、事故のあった13日深夜には規制値(1リットル中0.04ミリグラム)の155倍を西側の排水口から検出した。二塩化エタンは、爆発のあった塩ビモノマーの精製工程で原料として使用。爆発により、タンクから液体として漏れ出したほか、プラントを冷やす散水により、蒸気となったものが流れ出たとみられる。
同社は17日午後8時、流出を防ぐため散水を停止し、18日朝に排水溝に土のうを積んで水の流れを遮断。今後、吸着除去も予定している。
同社は14日午後に事態を把握したが、丸一日続いた消火活動などで社内連絡が滞った。対策を始めたのは、担当部長に伝わった17日午後6時ごろ以降と後手に回った。【丹下友紀子】
毎日新聞 2011年11月18日 20時22分
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