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【コラム 私は見た!】

大関先陣争いは興行に火を付けないか

2011年11月17日

 話題の二人は負けそうな気配も見せない。攻めに出る姿に、すきがないのだ。何がこんな大きな変化をもたらしたのかというと、一番“これだ”と考えられるのは、多分自信だろう。

 攻めに出ている側に、油断がない。しかも、この形からこうと移っていく流れによどみがない。当然のことながら、勝負の先手を奪われる形だから、追いかける側は、やはりすべてが遅れがちになる。

 結果として、大関、関脇に好きなように取られてしまう。元来、この二人は力のある人なのだから、勝負に先行させては厄介な相手なのだ。

 そんなことは分かっているのだが、ライバルたちはやむを得ず後追いという形に押しやられてしまう。それがどんな形かといえば、4日目に稀勢の里が出したがぶり寄りだろう。当面のライバルの得意技をまねてみせるというのは、私もあまり見たことがないので、思わず笑わされてしまったが、これなども、稀勢の里が今場所の相撲に自信を持っている証拠だろう。

 かくて、この二人が数少ないライバルとともに先頭に出て来たが、相撲の質としては、横綱は別にして、鶴竜がこの二人に伍(ご)する力を見せつけていると言ってもよいだろう。鶴竜も本来は、稀勢の里に並ぶ大関候補と言われても少しもおかしくない力士であり、この九州場所は、琴奨菊を含めて大関・大関候補が顔をそろえたことになる。

 これで、上位陣の火の出るような闘いが展開されて、相撲人気が爆発的にぶり返すことを祈りたいところなのだが、その方はどうももうひとつというところなのだろうか。客席の空きが、テレビでも分かることが気になる。興行というものは、一度火が付くと、信じられない連鎖反応を呼ぶものだから、今場所の優勝先陣争いなど、十分に人気回復のきっかけになるものなのだが。 (作家)

 

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