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【大相撲】

稀勢の里 大関とりへ不動心

2011年11月17日 紙面から

◇九州場所<4日目>

(16日・福岡国際センター)

 大関昇進が懸かる関脇稀勢の里(25)=鳴戸=は豊真将を寄り切って4連勝。新大関琴奨菊(27)=佐渡ケ嶽=も旭天鵬を下して無敗を守った。かど番の琴欧洲は苦手の隠岐の海を退け、阿覧に勝った日馬富士とともに3勝目。把瑠都は豪栄道に押し出され、連敗で早くも3敗目。勝ちっ放しは白鵬、琴奨菊、稀勢の里、鶴竜と前頭豪風を加えた5人。

 何があっても微動だにしない。そんな稀勢の里の強靱(きょうじん)な精神面が凝縮された一番だった。

 豊真将が3回突っかけて4回目の立ち合い。土俵下からは中村審判部副部長(元関脇富士桜)の激しく叱責(しっせき)する声が飛ぶ。カッと熱くなっても不思議ない場面にも「まあ、冷静に。いつも通りに」と全く動じない。右で張って、左を差すと一気に前へ。盤石の寄り切りで無傷の4連勝を飾った。

 報道陣から「熱くならなかったか?」との問いに「ないですね」とピシャリ。「うまくとれたと思います。体は1日ごとに動いている。相手より下に入れたことが一番。(豊真将が)残して(土俵際の)逆転がありますから。しっかり腰が中に入ったのが良かった」と満足げに振り返った。

 先場所は自身初の中日全勝ターンもその後3連敗。しかし12日目に横綱白鵬を倒すなど見事に立て直し、12勝を挙げて千秋楽まで優勝争いに加わった。早くから能力は大関クラス。課題は精神面と言われ続けてきたが、今場所の番付発表での会見で故鳴戸親方(元横綱隆の里)は「技術、体力もそうだが、心の力がついてきた」と大関とりに太鼓判を押した。先代の言葉を裏付ける圧巻の白星といえるだろう。

 取組後は、審判部室へ向かって謝罪した稀勢の里。中村副部長は「3回目は明らかに豊真将が早かった。両者が合わせて立たないと」としながらも「相撲は快勝だった」とたたえた。心技体そろって充実一途の稀勢の里。もうこの勢いは止まらない。 

  (竹尾和久)

 

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