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【大相撲】

稀勢の里、4連勝でストップ 豪栄道に不覚

2011年11月18日 紙面から

◇九州場所<5日目>

(17日・福岡国際センター)

 大関昇進が懸かる関脇稀勢の里(25)=鳴戸=は、豪栄道に防戦一方で土がついた。白鵬は旭天鵬を問題にせず、新大関の琴奨菊、鶴竜とともに5連勝。かど番の琴欧洲は1敗を守ったが、日馬富士は豊ノ島に屈して2敗目。把瑠都はようやく2勝目を挙げた。前頭の豪風が敗れ、勝ちっ放しは3人。新十両の勢(25)=伊勢ノ海=は初日から5連勝。

 受けに回ったときの弱さを稀勢の里は見せた。7日に急逝した鳴戸親方(元横綱隆の里)に何度も言われ続けてきた「前へ!」の教えを過去8勝1敗と合口のいい豪栄道との一番で守れなかった。

 立ち合いで左から張られた上、すかさず右差しを許し機先をそがれた。振りほどこうと突き落としを狙ったが「命綱だった。離してたまるか!」としがみつく豪栄道には効果なし。抱え込んで小手投げを打った直後の外掛けに我慢できず、バッタリと背中から土俵に崩れ落ちてしまった。

 5日目で初の黒星。顔を紅潮させて花道を戻ってくる。いったんテレビモニターの前で立ち止まってリプレーに目をやったが、立ち合いを見届けただけで手首のテーピングを外し足早に風呂場へ向かっていった。

 明らかに敗因は立ち合いでの後手。「まあ、そうッスね」と答えたが、その後の質問には「うーん…」と声を発するのが精いっぱいだった。

 先場所は8連勝のあと3連敗。しかし気持ちを切らさず千秋楽まで優勝争いに加わった。その粘りに「心の力が付いた」と亡くなった師匠は成長を認めた。部屋を継承した鳴戸親方(元前頭隆の鶴)も「これまでは自分のことで精いっぱいだったが、最近は若い衆の面倒を見られるようになった。部屋のゴミを拾うようにもなったし目配り、気配りができるようになった。それが“心の力”なんでしょう」と話している。

 6日目の対戦は全勝の鶴竜。先場所と同じく反撃に転じることができるか。正念場の関脇対決を迎えて真の“心の力”が問われる。 (竹尾和久)

 

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