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森雅史氏の「平壌43時間」ルポ(11月18日)
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【プロ野球】パ初の育成出身 日本S勝利 山田が竜打線封じた2011年11月18日 紙面から
◇日本シリーズ第5戦(ナゴヤドーム) ソフトバンク5−0中日淡々と投げ続けていた左腕がグラブをたたいて雄たけびを上げた。ソフトバンク先発・山田の感情がはじけた。1点リードの6回1死二塁、唯一ともいえるピンチだった。「チェンさんが良かったので走者をかえしたくはなかった」。井端をスライダーで遊ゴロ、森野はカーブで空振り三振。最高の結果で切り抜けた。 日本シリーズはもちろん、CSで登板した経験もなかった。ポストシーズン初登板。プレーボール直前、小久保からハッパを掛けられた。「育成選手からこんなところまで来たのは、お前がしっかりやったから。自信を持っていけ」。主将の言葉に勇気づけられ、堂々と中日打線に向かっていった。 打者の手元で微妙に動く直球、多彩な変化球を自在に操った。「緊張はしませんでした。要所を締められたし、ピンチでも動じなかった」。6回を散発3安打の無失点。無四球の制球力も光り、パ・リーグの育成出身では初のシリーズ白星をつかんだ。 支配下登録をされて2年目。個人トレーナーと専属契約するなど、さまざまな自己投資を行ってきた。これまでメーカーに一任していた用具に関し、自分の要望を伝えるようにもなった。「道具も自分の一部。特に投手はグラブとスパイクくらいしかこだわるところがないから」。スパイクは各球場のマウンドによって自分で歯の長さを変えられるようになった。 シリーズ期間中、本拠地試合では移動の負担を考慮され、寮生はヤフードーム隣接ホテルへの宿泊していた。だが山田はいつも通り寮から球場へ。「自分の部屋のほうが落ち着くから」。最高のパフォーマンスを出すにはどうするべきか。ようやく自分で考えられるようになった。 楽天・田中、日本ハム・斎藤らと同じ黄金世代の23歳。彼らより先に足踏み入れた大舞台で「すごく楽しめました」と会心の笑顔をみせた。 (伊藤瀬里加) PR情報
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