10月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,337件で、9月と比較して667件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール69%、電話26%、FAX 3%、手紙ほか2%。性別は男性70%、女性26%、不明4%。年代は30歳代34%、40歳代24%、20歳代16%、50歳代 15%、60歳以上 8%、10歳代 3%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該局のBPO責任者に「視聴者意見」として通知。10月の通知数は477件【35局】であった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、38件を会員社に送信した。
10月の視聴者意見は1,337件と前月より667件減った。秋の改編にともなう長時間の特別番組への苦情や、海外からのニュース映像に関連した報道への意見などが多かった。
リビアのカダフィ大佐の血まみれの遺体映像や、中国の2歳の子供が車にひき逃げされ見捨てられていたシーンなどには、「報道の大切さはわかるが、もう少し伝え方を工夫してほしい」などの意見もあった。
記者会見で原発の除染水を政務官が飲んだことについて、飲ませたほうも飲んだ方も異常だとの批判があった。
"セックスレス"をテーマとした朝の情報番組には、賛否両論多くの意見が寄せられた。タブー視せず、取り組むことは良いことだと評価する声がある一方、朝の時間帯にはふさわしくないとの批判もあった。
バラエティー番組では、店の構えは汚いけれど味はおいしいという店を紹介するコーナーで、出演者の発言が老店主を馬鹿にしているようで不愉快だとの批判があった。
ラジオに関する意見は30件、CMに関する意見は20件あった。
放送と青少年に関する委員会に寄せられた意見は129件で、前月より20件ほど減少した。
今月は、低俗・モラルに反するとの意見が44件、次いで性的表現に関する意見が26件、残虐シーンに関する意見が11件と続いた。
低俗・モラルに反するとの意見および性的表現に関する意見については、複数のバラエティーやアニメ番組に対する批判意見が散発的に寄せられた。
残虐シーンについては、深夜アニメに対して「残虐でグロテスクな描写があまりに過激だ」とする批判意見が寄せられた。
【取材・報道のあり方】
リビア関連のニュースが沢山流れている。重要なニュースであることは理解出来る。だがその放送の仕方に疑問を感じる。カダフィ大佐がどうやって殺されたか、誰が殺したか、その説明に血まみれのカダフィ大佐や、大佐に拳銃を突きつけている兵士の映像を流すことは本当に必要なのか疑問だ。朝や夕方は子どもも見ている可能性も大きい。映像の与える影響力の大きさを考えて流してほしい。今回の放送の仕方は、本来のテレビのあり方から逸脱しているように感じる。
各放送局でカダフィの尋常ではない残虐な映像が流れている。突然、強制的に目に入るため、そのたびに心臓が苦しくなる。子どもたちにも良い影響があるとは思えない。どんなに大きなニュースであっても、そこから何が起こるか想像力を働かせてほしい。インパクトを与えることがすべてなのだろうか。このような映像が繰り返し流されるなら、ニュースさえ安心して見ることができなくなる。
「中国の2歳の子どもが車にひかれるシーン」の映像が流れた。あまりに衝撃的でショックを受けた。テレビで放送するには不適切な映像だったのではないか。そのことをテレビ局に伝えたところ、「映像に関しては一定の配慮をした」と言われた。一体どこに配慮したのか、まったく分からない。
福島県内1件、県外全国から6件の家庭の1週間の食材を調査したところ、福島県内の家庭からはセシウムが検出されなかったにもかかわらず、他県からは微量ながらセシウムが検出されたことを報告していた。福島県1件というサンプル抽出には何の科学的根拠もない。国民を馬鹿にしているのか。科学的根拠もないままに、都合のいい結果だけを報道する。国民の正しい理解を妨げる報道内容で、憤りを感じる。戦前の日本を思い出させるような、公平さを欠く報道姿勢だ。
政府・東電対策室の記者会見で、原発での除染水を政務官が飲むというシーンがあった。その行為自体ではなく、報道姿勢に疑問がわく。「売り言葉に買い言葉」でこうした行為をする政務官がおかしいという報道だったが、問題はその場にいた記者の態度だ。 「安全というなら飲め」と責め立てたうえで、いざ飲んでみたら「それで証明になるのか」と騒ぎ立てていた。あの記者たちはいったい何をしたいのか。単なるいじめにしか見えない。その行為を容認・擁護する報道の姿勢には疑問を感じる。
テレビを見ていて不思議に感じたことがある。東日本大震災後に東京電力福島原発から出た放射線量を計っていた「SPEEDI(スピーディ)」のことがまるで報じられない。今でも可動し線量測定を行っているはずなのに、どこの局でも報じない。誰かが口にしようとした途端に、さえぎるような番組もある。天気予報と同じように放射線量も日々報道するべきだと思う。
長野県で見つかった白骨遺体の特集について、報道に偏りが見られる。被害者が性転換した人物であるが故にか、以前の容姿と最近の容姿を何度も重ね合わせたり、同級生の感想についても以前から女性的な面があった等の報道をしたりと、殺害された事件とは関係のない報道が多い。被害者の風俗プロフィール写真や以前の写真を放送する意味があるのだろうか。被害者のプライバシーが無視されている。面白おかしく興味本位に報道しているだけで、事件の真相には全く関係ない。
「世田谷で高放射線量の値が確認された」との報道は、福島県に住んでいる者としては、全国ニュースとして報道すべきことなのか疑問だ。福島原発の影響ではなく、床下のビンが原因とのことだ。報道には注意してほしい。「2.7〜3.3マイクロシーベルトで高線量の値」と報道されたが、その程度は福島県では当たり前に庭先で計測される。そんな中で、小さな子ども達が日常を暮らしている現実を正しく報道してほしい。雨樋を除染して出た土を、6〜7マイクロシーベルトの値が出ているにもかかわらず、庭先に置いておかなければならない福島の現状こそ報道してほしい。
【番組全般・その他】
番組改編期の長時間特番はやめてほしい。3時間以上の特番が多すぎるし、中身のない番組ばかりだ。春と秋の改編期と夏の長時間特番、更に年末年始の長時間特番はやめてほしい。レギュラー番組の繰り下げや、一部地域ではローカル番組による特番の短縮放送も迷惑だ。
"セックスレス"がテーマだった。もう少し、性というものが与える影響を考えた番組作りはできないのか。人間にとって夫婦間であれ、性交渉は子どもが生まれ、大きな責任と多くのお金をかけて成人までしばりがかかる行為だ。「性交を生殖以外で捉えることは考えが狭い。ふれあいの行為」というゲストや一般に見られる考え方は誤っている。世の中は、ティーンエージャー女子向け雑誌からネット、テレビまで性情報が氾濫している。恋人でも夫婦でも性交しなければおかしいような価値観を醸成している。覚悟のない性交が育児放棄や虐待、しつけもできない親を生み出している。行為には結果がともなうという想像力がなく、簡単にこういう行為をしていることは、メディアが主導する安直なセックス情報が原因だ。
"店は汚いけれど味はうまい"という店を紹介する企画で、85歳の女性が経営する店に、芸人と女優たちが訪れカレーや焼そばを食べていた。店主に対する発言や態度がとても非常識で、不快だった。出された食事に対して「味が薄い」「水っぽい」などと連呼し、ただ店の評判を貶めるようにしか感じられなかった。一生懸命作った料理をバカにするのは失礼だ。夫婦の気持ちを考えると心が痛んだ。BPOへ意見しても何も変わらないかも知れないが、このような不快な思いをする番組がなくなることを願う。
出演者の発言にピーという"自主規制音"を用いることが多い。何を意図してこのピー音を使用するかは分からない。視聴者に対しては失礼なことだ。広く電波を使って放送している以上、公共のものだ。その場にいる出演者やお客という限られた者のみ内容を知り得るということは公平ではない。放送する以上は隠してまで放送する必要はない。出演者の人権や尊厳を侵すものならば使用やむなしと思うが、それなら編集段階でカットするべきだ。
放送で多用される「効果音」について意見を言いたい。まず、緊急地震速報と紛らわしいものは使わないでほしい。また、あらゆるジャンルの番組で不必要な擬音が目立つ。たとえば、動物番組で子犬が乳を飲む時「グビグビ」、子猫がヨチヨチ歩きする時には「ピョコピョコ」という擬音が使われるが、これらは不要だ。「動物」がテーマなのに、なぜ自然のままの映像と音声でやらないのか。今の放送関係者はコンピューターゲーム出現後に生まれ、騒音の洪水の中で育った世代なので、「静寂」という状態に耐えられず、「音」がなければ番組が成り立たないとでも思い込んでいるのだろうか。
4時間半の特番だった。バラエティー番組のほとんどが、何らかの「ハラスメント」を含む、低俗なものであることは承知している。ただ、学力を試して序列をつけ、最低点をとった者に「××バカ」と烙印を押し、笑い物にするという番組は不愉快だ。この番組は、勉強を得意としない人に対して、侮蔑とからかいが露骨だ。笑っていいのだろうか。勉強が得意な人もいれば不得意な人もいる、勉強に存分に打ち込める家庭環境にあった人もいれば、貧困や暴力等、劣悪な家庭環境のため、勉強に打ち込むことができなかった人もいる。
自然災害や寒暖差の大きい日が多いこともあるが、天気予報で、ただ天気を伝えるだけでなく、「台風がこういう進路をとって風の動きがこうなるから偏西風がこうなって寒気の動きが」と天気の仕組みを、素人でも分かりやすく解説してくれる気象予報士が増えた。気象の仕組みや知識が身につくので、災害時や気温の急変時以外でも継続してもっと色々教えてほしい。
この番組に限ったことではないが、ほぼ毎日、子役の女の子の話題をとりあげている。義務教育中の彼女が平日の昼間にイベントを行っていることを堂々とメディアで流していることに疑問を感じる。学校を休んで芸能活動することを容認して良い訳はなく、せめてメディアでの報道は控えるべきではないのか。
【ラジオ】
私の住む大分は被災地から遠いということもあり、テレビのローカルニュースでは被災地の様子が十分に伝えられていない。私は出勤する前のひと時、ラジオ番組を聞いて有益な情報を得ている。たとえば被災地産の米の安全性について分かりやすい説明があり、安心できた。今後もためになる情報を提供してもらいたい。こうしたラジオ番組の良さを知らない人が多いことはとても残念だ。
「手術などの時、医師に金を包むか包まないか」というテーマについて、女医を招き話していた。この女医は「断ると患者がショックを受けるので、気持ちとして金を受け取っている」と発言した。要するにこれは「袖の下=賄賂」の話である。賄賂を正当化するような発言は許せない。リスナーからのメールやFAXではすべて「袖の下」という表現がされていたのに、女医はこの言葉を一切用いず「受け取ってやっている」かのような態度だったので腹が立った。医師が金を受け取ることが当然であるかのような放送はやめてほしい。
【CM】
ハンバーガーの新商品CMが不快極まりない。生理的に受けつけず苦痛を感じる。CMの本来の目的を逸脱し、販売促進以外の別の目的があるように勘ぐってしまうほどひどい。CMを見てここまで嫌悪感を抱くことは今までなかったが、精神的苦痛に対する損害賠償を本気で考えたくなるほどの、ひどいものだ。
【低俗、モラルに反する】
トーク番組のレギュラーMCに小学一年生の子役タレントが加わったが、番組内容からして不適切ではないか。新婚の女性タレントらが夫婦生活について語るなど、下ネタのオンパレードだ。今の子はませていると言われるかもしれないが、そういう大人と一緒に出演するのはいかがなものか。子どもにふさわしくない番組で、とまどったりはずかしがったりすることを狙っての起用なら明らかな間違いだと思う。
アニメで葬式のシーンがあったが、子どもがすごく気持ちが悪いと言って今でも怯えている。常軌を逸したひどすぎる下ネタ、性描写、死者への侮辱行為など、夕食時のアニメとは思えない内容だった。大人の私でも不快だ。
たまにテレビをつけると、殺人事件を扱う番組が多いことに驚く。ニュースなら仕方がないが、ドラマなどでも殺人事件がないと話を作れないのか。子ども向けのアニメで毎回殺人事件が起こっているものもある。発想の貧困さ、創造力のなさを感じる。このような安易な殺人事件の乱用が、子どもに殺人事件は身近に起こる日常の出来事と思い込ませてしまうことになる。子どもが起きている時間はもう少し夢のある放送にしてほしい。
【性的表現に関する意見】
【残虐シーンに関する意見】
【いじめに関する意見】
【喫煙に関する意見】
【視聴者意見への反論・同意】
【CMに関する意見】
最近、パチンコCMは台から企業イメージに変わったから許せるとしても、競艇と競輪のCMはモラル違反だと思える。ギャンブルを軽い遊びのようなイメージにして、競輪と競艇をすすめている気がする。朝から夜まで、子どもが見るような時間帯にもギャンブルのCMを放送することは規制してもらいたい。