3月11日午後3時。地震の約13分後。電離ガス(プラズマ)が波となって動き始めている。★印は震源、×印は電離圏震央=情報通信研究機構提供 |
3月11日午後3時55分。地震から約68分後。電離ガス(プラズマ)が同心円状に広がっている。★印は震源、×印は電離圏震央=情報通信研究機構提供 |
東日本大震災が起こした大気の波が高度約300キロ付近にまで到達していたことが、独立行政法人・情報通信研究機構(東京都)と京都大、名古屋大が共同で実施している観測でわかった。神戸大で3日から始まる地球電磁気・地球惑星圏学会で発表される。
同機構の津川卓也・主任研究員によると、東日本大震災の振動は、震源付近で地面の揺れや津波だけでなく大気の波も起こし、約7分後には宇宙の入り口である高度約300キロ付近の電離圏に到達。到達地点の「電離圏震央」を中心として電離ガス(プラズマ)の波が同心円状に広がる様子が約3時間にわたって観測されたという。
国土地理院が国内に1200カ所持つ全地球測位システム(GPS)の受信地点を活用して観測。2004年のインドネシア・スマトラ島沖地震などでも同様の現象が観測されたが、全体を詳細に観測できたのは今回が初めてという。