県は14日、文部科学省の航空機による放射線量モニタリング調査で佐久地方の群馬県境付近で放射性セシウムの沈着量が比較的高かったことを受け、落ち葉でたき火をしたり焼き芋をしたりすることを自粛するよう県民に伝えることを、県内全市町村に要請した。落ち葉は放射性物質が蓄積しやすく、汚染されていた場合、燃やせば灰のセシウム濃度が高くなる上、大気中に広がることも懸念されているためだ。
文科省が11日公表したモニタリング調査では、佐久地方で局所的に地表面へのセシウム沈着量が比較的高かった。一部地域では落ち葉の放射能は高いとみられるが、県は「それ以外の地域の落ち葉が大丈夫とも言えない」(県廃棄物対策課)として、自粛地域は限定せずに広く注意を呼び掛けることにした。
今回の要請に当たって県は、落ち葉を使っての焼き芋などでセシウムが濃縮された焼却灰が口に入る可能性がある―と懸念。一般廃棄物として市町村などの焼却施設で処分するよう促している。果樹などの剪定(せんてい)枝についても「市町村の焼却施設に出すのが好ましい」との見解を示した。住民への周知の方法は各市町村に委ねる。環境省によると、フィルターが付いた焼却炉では、焼却灰に含まれる放射性セシウムの大気中への飛散量を99・99%以上除去できるという。
県ではこれまで落ち葉の放射能を調べてはいないが、北佐久郡軽井沢町が町内5カ所で今秋測定した落ち葉の放射能は、セシウム134が最大で1キロ当たり1400ベクレル、セシウム137が同1800ベクレル測定されている。
放射能測定や除染について情報共有するため、県が県内自治体担当者らを対象に県松本合同庁舎で14日に開いた連絡会議で通知した。