枝野幸男経産相は17日の参院予算委で、九電のやらせ問題に絡んで「自らが委嘱した第三者委員会の報告書を受け止めることもなく、第三者委メンバーとトラブルになっているガバナンス(企業統治)状況では、到底、再稼働を認めることができる会社ではない」と答弁し、九電が第三者委と対立している現状では、九電の原発再稼働は認めないと明言した。
社民党の福島瑞穂党首の質問に答えた。福島氏が一連の九電の対応を「傲岸(ごうがん)不遜な態度」と指摘したことに対して、枝野経産相も「九電に対する評価はまったく同感」と述べた。
定期検査を終えた原発の再稼働について、枝野経産相は10月24日、記者団に対し「動かす組織のガバナンスがしっかりできているかについて、国民の信頼があることが当然の条件だ」と述べ、電力会社の経営体制が適切かどうかを検証する考えを示していた。
一方、九電の瓜生道明副社長は17日、都内で記者会見し、国への再提出を検討している最終報告書について「両論併記ということもあり得る」と述べ、古川康佐賀県知事の関与を認定した第三者委の指摘と、知事関与を否定する自社見解を併記する形の最終報告書の月内提出を検討していることを明らかにした。
最終報告書の再提出について、瓜生氏は「自主的に再提出せざるを得ないと思う」と明言。九電は第三者委元委員4人に、知事の関与を認定した根拠を尋ねる質問状を送付し、22日までの回答を求めており、見解の相違が埋まらなければ最終報告書に両論併記する可能性があるとした。時期は「(今月末の取締役会も)ひとつのターゲットになっている」と語った。
=2011/11/17 西日本新聞=