そのキャッチコピーとは、「Japan pops to Girls' Generation」というもの。「Girls' Generation」とは少女時代の英語名だが、ネット上の掲示板などでは「韓国のグループなのに、J-POPというのはおかしいではないか」「パクリ文化の韓国だけに、日本ブランドの威を借りてアメリカで活動するつもりか」などと非難が巻き起こっているのだ。
アメリカの音楽事情に詳しい音楽ライターは次のように解説する。
「『pops』という言葉を音楽の『ポップス』と解釈してしまったことから生じた誤解なのですが、これは『pop(飛び跳ねる)』という意味の動詞なんですよ。なので、全体としては『少女時代が日本を席巻している』というぐらいの意味ですね。それに宣伝ポスターのキャッチコピーではなく、アメリカの新聞に掲載された芸能コラムの記事のタイトルなんです。もっとも、なぜアメリカ人の読者に向けて少女時代が日本で大人気だということをアピールする必要があるのか疑問ですけどね。その意味では、日本ブランドの威を借りて全米進出を果たそうとしているという指摘は、意外に当たっているのかもしれません(苦笑)」
少女時代が所属プロダクションのSMエンターテインメントの綿密なグローバル戦略によって日本に進出したことはよく知られているが、全米進出の戦略が「日本」を売り物にするというのではあまりにお粗末ではないか。新作ではレディー・ガガやマイケル・ジャクソンなどの作品を手がけたテディ・ライリーをプロデューサーに迎えており、まさに「グローバル仕様」といったところだが、実際のところ少女時代の全米進出の成否はいかに?
「アジアのアーティストの全米進出では言葉のハンデが常に付きまとうのですが、少女時代はメンバーのジェシカとティファニーが韓国系アメリカ人なのでその点はクリアしています。しかし、新作を聴いた限りではパンチ不足だし、アメリカではちょっと厳しいでしょうね。それに、プロダクション側もいきなりブレークするとは考えていないはず。まずは在米コリアンたちへ人気の浸透を図ろうというところではないでしょうか。それだけでも相当なマーケットですから」(前出・音楽ライター)
少女時代の全米進出が無様な結果に終われば、日本国内のK-POPブームに影を落としかねないだろう。その意味では、少女時代も正念場を迎えているといっていいかもしれない。
(文=牧隆文)
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