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事件
比叡山延暦寺が暴力団参拝を拒否 山口組に“絶縁”を通知 過去には香典名目で数千万円上納も
2011.11.17 14:39
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このため、現地で参拝を確認した県警の捜査員が男たちの身元を調べた結果、親族ではないことが判明。「上納金が動いている可能性もある」として参拝の拒否を要請したが、延暦寺は少人数などを理由に「個人としての慰霊なら制限は難しい」として受け入れず、同様の参拝は20~22年も年1回行われた。
流れが変わったのは、滋賀県暴力団排除条例(8月施行)が制定された今春。県警からの再三の要請もあり、延暦寺は参拝拒否の方針を決め、6月に「今年から組関係者の参拝を遠慮してほしい」と山口組に通知した。7月上旬に組側から「了解した」との連絡を受けた。その後、山口組から参拝の申し入れはなかったという。
延暦寺は「(問題となった18年の)法要から5年以上かかったが、ようやく宗教的立場と暴力団との線引きができた」としており、今後、位牌の安置場所を移すことも検討する。
■比叡山延暦寺 平安時代の僧侶で天台宗開祖・最澄が延暦7(788)年に開山した天台宗総本山。最澄没後に桓武天皇時代の年号「延暦」を寺号とし、延暦寺と称する。親鸞や法然ら多くの各宗派の宗祖を輩出し、「日本仏教界の母山」と呼ばれる。文化庁の「平成21年度版宗教年鑑」によると、天台宗は全国で約3100の宗教法人があり、信徒は約153万人。平成6年に「古都京都の文化財」として国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に登録された。
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