米海兵隊 豪に駐留で合意
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米海兵隊 豪に駐留で合意

11月16日 20時32分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

アメリカのオバマ大統領は、オーストラリアでギラード首相と会談し、来年から250人規模のアメリカ海兵隊をオーストラリアに駐留させ、将来的には最大で2500人規模にまで増やすことなどで合意したことを明らかにし、アジア太平洋地域での影響力の拡大を目指す中国をけん制するねらいがあるものとみられます。

就任後初めてオーストラリアを訪れたオバマ大統領は、16日、首都キャンベラでギラード首相と会談しました。会談のあとの共同記者会見で、両首脳は、アメリカ海兵隊と空軍の部隊をオーストラリアに駐留させることで合意したと発表しました。具体的には、来年から連絡要員を含めた250人規模の海兵隊が、オーストラリア北部のダーウィンなどにある基地に駐留を開始し、将来的には、航空機と陸上部隊を合わせると最大で2500人規模にまで増強するほか、アメリカの空軍機がオーストラリア軍の基地を使って訓練などを行う機会を増やし、両国の軍事協力を強化する方針です。これについて、オバマ大統領は「地域の安全保障体制を維持していくうえで、アメリカの軍事力を示すことは不可欠だ」と述べました。今回の合意は、中国の軍備増強を念頭にアメリカ軍が進めている部隊の再配置の一環で、南シナ海や太平洋などをのぞむオーストラリア北部に軍の部隊を駐留させることで、この地域での影響力の拡大を目指す中国をけん制するねらいがあるものとみられます。玄葉外務大臣は、記者団に対し「アメリカとオーストラリア両国から事前の説明があった。今回の決定は、アジア太平洋地域への関与を強化するというアメリカの政策を具体化するものであり、日本としても、この地域でのアメリカ軍の能力を向上させ、安全保障に資するものと考え、歓迎する。また、今回の決定は、日本でのアメリカ軍の再編に影響するものではないと、アメリカ側から説明を受けている」と述べました。アメリカとオーストラリアが軍事協力を強化していくことで合意したことについて、中国外務省の劉為民報道官は「軍事同盟を強化したり、拡大したりすることが今の時代に適切な行動なのか、国際社会の共通利益と一致したものなのか、議論の余地がある」と述べました。また、「平和と発展こそが時代の潮流で、中国はこの方針に沿って対外政策を展開している」と述べ、同盟関係を深める動きに不快感を示しました。