東京電力
学ぶ・知る・楽しむ放射線の話

放射線コーナー Q&A
 
 

原子力発電所では、どのようにして放射能を閉じこめているのですか?
   
 原子力発電所では、放射性物質は原子炉の中で生まれています。ウランの核分裂により生じるクリプトン87などの放射性希ガス、よう素131、セシウム134、ストロンチウム90などの放射性物質は核分裂生成物と呼ばれますが、この核分裂生成物は、通常、燃料棒の中に閉じこめられています。また、この他に、原子炉の水を構成する原子である酸素や窒素に中性子が当たって生じる窒素16などの放射化生成物、さらには原子炉の鋼材の中の鉄やコバルトに中性子が当たって発生するコバルト60、マンガン54などの腐食生成物などがあります。
 原子炉の通常運転時には、核分裂生成物自体は燃料棒に破損がなければ、閉じこめられていますが、その他の放射化生成物や腐食生成物は原子炉で作った蒸気に含まれた状態でタービンへ移動したり、原子炉に接続されている配管の内部に付着したりしています。これらのうち、腐食生成物は、フィルタで除去しており、放射化生成物は気体廃棄物処理系統などで放射能を充分に弱めて排出しています。
 一方、原子炉の燃料棒中で発生する核分裂生成物は、5重の壁で放射能を閉じこめています。これらの方法の一つが有効でなくなっても、他の壁でバックアップできるという仕組みです。

《五重の壁》
1ウラン燃料をセトモノのように焼き固める(ペレット)
2ペレットを金属管に密封する(被覆管)
3被覆管を高温高圧に耐える厚さ約150mmの金属製容器に入れる(原子炉圧力容器)
4原子炉圧力容器を包み込む厚さ約30mm鋼鉄製の容器に入れる(原子炉格納容器)
5原子炉格納容器を厚い鉄筋コンクリート製の建物内に設置する(原子炉建屋)

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