五重の壁
(ごじゅうのかべ)

原子力発電所から放射性物質を逃がさないための対策として、原子炉をすっぽり包む五重の壁があります。
第1の壁はペレット。第2はペレットを密封した燃料棒(被覆管)。第3は原子炉圧力容器。第4は原子炉格納容器。第5が一番外側の建物の壁。この五つを「五重の壁」といいます。
第1の壁のペレットは、ウラン燃料を陶磁器のように固く焼きかためたもので、大部分の放射性物質はこの中に閉じこめられています。
第2の燃料棒は、ジルコニウムという特殊な合金製の管で、ペレットの外へ漏れた気体の放射性物質を外へ出さないようにしています。
第3は厚さ16センチメートルある低合金製の圧力容器、
第4の格納容器は厚さ約38ミリの鋼鉄製の巨大な容器で、主な原子炉の機器を包みこんでいます。
最後の壁が原子炉の建物です。建物全体が厚さ1メートル以上の頑丈なコンクリートの壁でできています。