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先祖返り3千万年…腹びれイルカ、後ろ脚の跡

腹びれのあるイルカ「はるか」(右、太地町立くじらの博物館提供)
はるかの右腹びれのX線画像。指の骨3本がくっきりと写っている(腹びれイルカ・はるか研究プロジェクト提供)

 和歌山県沖で世界で初めて見つかった腹びれを持つイルカを東京海洋大学などが詳しく調べた結果、このひれが後ろ脚の痕跡をとどめ、先端に指の骨もあることがわかった。

 イルカなどの鯨類が進化する過程で、どのように後ろ脚が退化したのかを示す手がかりになる。29日に米国で開かれる国際海産哺乳類学会で発表する。

 このイルカはバンドウイルカの雌で、2006年10月に和歌山県太地町沖で捕獲された。左右に腹びれがあり、「はるか」と名付けて同町立くじらの博物館で飼育されている。今回、左右の腹びれをエックス線撮影した結果、右に3本、左に2本の指を確認。左右ともに太もも、すね、甲に相当する部分もあり、後ろ脚にあたると判明した。

 鯨の祖先は5000万年前に4〜5本指、3500万年前に4本指の後ろ脚を持っていたが、加藤秀弘・東京海洋大教授は「水の抵抗を減らして泳げるように、鯨は指を減らし後ろ脚を引っ込めていった」と説明。2〜3本指のはるかは、約3000万年前の鯨に「先祖返り」したとみている。

2011年11月16日08時56分  読売新聞)

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