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京都・大垣書店の大垣和央会長が傘寿/「祝う会」に130人参集  
 

6月8日に80歳を迎えた京都・大垣書店の大垣和央会長の「傘寿をお祝いする会」が6月18日、京都・中京区の京都ホテルオークラで開かれた。業界内外の関係者約130人が駆けつけて祝福した。

同会の発起人はトーハンの上瀧博正会長、河出書房新社の若森繁男社長、京都書店組合の中村晃造理事長、京都パレスライオンズの鈴木正史会長の4氏。

会でははじめに京の祝舞が披露され、上瀧会長が登壇。大垣会長の体調を気遣いながら、昭和17年の書店開業から、京都最大級となる1000坪の京都駅前店の開店までを振り返り、「大垣書店は全国で最も元気のある書店」と讃えた。また、トーハン会の中では最古の京都トーハン会で、27年間も代表を務めた功績に最大級の敬意を表し、「大垣会長の姿勢、人柄、人徳がいまの実績に結びついている」と祝辞を述べた。

若森社長は「出版文化発祥の地である京都から、大垣ブランドを全国各地に広めている。いま、一番注目されている書店。大垣会長の顔をみたら元気になりました」と述べ、中村理事長も、「大垣書店の成長は京都書店組合の誇りです」と語った。このあと、大垣会長は京都市内にある一六の幼稚園に計912冊の絵本・児童書を寄贈。およそ120万円分の本を自費で負担した大垣会長から京都市教育委員会の高桑三男教育長へ目録が手渡され、大きな拍手が起こった。

大垣会長は「最初は身内でささやかにと思っていたが、こんなに立派な会になってしまった。申し訳ない」と一礼。父が北大路烏丸の六坪の地で雑誌を並べて開業した草創期を想起。戦争が激しさを増して小学2年生からは授業も受けられず、風船爆弾を作らされていたことや、のちに関西書籍取次有限会社有厚社(柳原書店)に入社して、仕入・荷造り・配達に携わり、大垣書店に入社してからは全集・事典ブームに。その後、資金繰りから父と住んでいた自宅を売却して返済に充てた苦難の時代を紹介。しかし、「店の下に地下鉄が通り、自社ビルが建った頃からツキが回ってきた」と自身の半生を振り返った。

「社長の守弘と専務の全央も仲良くやっている。トーハンの献身的な支えもあって新店の売上げは予算を上回っている」「商売は不安定。若い経営者に厳しい指導を」と謝辞を述べた。

会半ばには孫一同から花束が贈られたが、大垣会長は厳しい表情を崩すことなく受け取り、各テーブルを回りながら、終始出席者へ配慮した。

最後に登壇した守弘社長は「医者から酒は一杯、タバコはダメと言われている。あまり勧めないで下さい」と父の体を気遣っていた。

(本紙2010/6/24号掲載記事から)
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