裁判員:地裁仲介で「同窓会」 守秘義務の苦悩軽減に

2011年9月17日 15時0分 更新:9月17日 20時19分

審理から1年目の「同窓会」を開く裁判員経験者=東京都豊島区で、伊藤一郎撮影
審理から1年目の「同窓会」を開く裁判員経験者=東京都豊島区で、伊藤一郎撮影

 昨年9月、東京地裁で審理した裁判員経験者が、都内で「同窓会」を開いた。裁判の時に連絡先を交換していたわけではなく、後日、裁判所の計らいで連絡を取り合って実現した。

 開催のきっかけをつくったのは、東京都練馬区の不動産業、田口真義さん(35)。元俳優が保護責任者遺棄致死罪に問われた事件の裁判員裁判を担当した。「あの時の裁判員や補充裁判員と再会したい」と思い、判決から約1カ月後に「ほかのメンバーに自分の連絡先を伝えてほしい」と地裁に頼んだが、「できない」と言われた。

 しかし、今年2月、最高裁の「裁判員制度の運用等に関する有識者懇談会」で、委員からの質問に対し、事務総局幹部が「それぞれの方の同意があれば(裁判所の仲介も)問題はない」と説明。田口さんが4月に再度、地裁に問い合わせると、「相手方の同意を得られれば、連絡先を通知します」と方針転換を告げられた。

 田口さんはそれまでに、裁判員経験者の交流組織などで3人と再会していたが、残る5人のうち、同意した4人とも連絡先を交換できた。13日の「同窓会」に集まったのは3人だったが、参加した40代の会社員女性は「久々に連絡を取り合えた時は、ほっとした。守秘義務で家族にも言えないことがあるのは、ストレス。こうした機会は必要だと思う」と語った。会社員の金井達昌さん(49)も「裁判所が仲立ちしてくれたことを評価したい」と話した。【伊藤一郎】

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