京都大病院(京都市左京区)は14日、人工透析の際に間違えて別の装置を取り付けるミスで、入院中の50代の男性患者が死亡したと発表した。三嶋理晃病院長は「病院の過失」と認め、「社会の信頼を損なう結果となり、おわび申し上げます」と謝罪した。病院から報告を受けた京都府警は、業務上過失致死容疑での立件を視野に捜査を始めた。
京大病院によると、患者は今月5日、脳死による臓器提供での肝臓移植手術を受けた。経過が良好だったため一般病棟に移った。もともと腎不全で透析を受けており、12日夜に当直医2人が透析用の濾過(ろか)装置を交換した。ところが、その約3時間後に血圧が低下するなど容体が悪化。治療を受けたが、翌13日午前10時50分に死亡した。
その後の調査で、付けられていた透析用の装置が、血液中の老廃物を取り除く本来の装置ではなく、血液の成分を分離するための別の装置だったことが分かった。当直医の指示で看護師が装置を取りに行き、保管場所の隣にあった別の装置を誤って持ってきた。当直医も確認を怠って装着したという。装置は形は似ているが、色や大きさは違う。