今月号のダヴィンチで、日本の名作文学におけるBL要素と言う事で特集が組まれているとの情報を知り、久し振りに購入してみました。
以下、BL、腐女子関係が苦手な方はご注意ください。OKな方は続きをどうぞ。
近代文学作品には今どきの言葉で言えばBL的な表現がある作品は少なくない、と思います。川端康成や三島由紀夫のような「本物」では無くても、「なんとなく作品にBL的な香りがするなぁ」「そんな風に解釈できるんじゃない?」という感じ。
今回の特集では、三浦しをんさんと松岡なつきさんがいくつかの作品について、「BL脳で読む名作文学案内」として対談しており、その内容がなかなか興味深く、そして面白かったですね。
松岡さん曰く、「銀河鉄道の夜」におけるBLは、主人公であるジョバンニとカンパネルラ、では無く、ジョバンニ父とカンパネルラ父、に対してこそBLを感じるんだそうで。
三浦さんも同感との事。さすがだ…。
他に挙げられていたのは「白鯨」、「雨月物語(菊花の約)」「山月記」「平家物語」「こころ」「走れメロス」。「白鯨」以外は一応読んだ事がある作品(平家物語に関しては部分的ですが)ばかりなので、お二人の対談内容に関しては共感する部分が多かったです。
女性は相手が男性でも女性でも「男惚れする」という感覚があるけれど、男は女に「男惚れ」はしない。男は自分と同じ男が活躍する方が嬉しく幸せ。男の人は男の活躍を見て興奮する。
というような理由が2人によって語られています。なので
「文学者たちもそうで、みんな男が好きなんですよね。だから、文学の中からBLの匂いを嗅ぎとれと言われたら、そこらじゅう全部の本がそうとも言える(笑)」松岡
だそうで。
大納得
これは近代文学を読むとなんとなく感じることですが、別に性的な意味での男×男じゃないけれど、「本当に理解し、心を分かち合えるのは男同士だけ」という雰囲気の話は結構あります。
「走れメロス」のメロスとセリヌンティウスの関係は、池波正太郎の書く時代小説にも時折出てくる「念友」(衆道の契りを交わした友人)に近いものがあるなぁ、と感じますしね。
対談以外の所では、「名作のBLサイドストーリー」として4作品ほど「外伝」というスタイルで短い小説と漫画がありました。
その中に、太宰治の「ダス・ゲマイネ」を元にしたサイドストーリーがあったのですが、太宰と言えば「駆け込み訴え」もかなりBLっぽいよなぁ、と。でも、題材が題材なのであまり大きな声では主張出来ないかな(苦笑)
にしても、私にとってダヴィンチは好きだけれど危険な雑誌だなぁ、と実感。だって、買うたびに欲しい本が増えるんですよ…。うう、今回も紹介されている本で読んでみたいのがたくさんあったよぅ…。
以下、BL、腐女子関係が苦手な方はご注意ください。OKな方は続きをどうぞ。
近代文学作品には今どきの言葉で言えばBL的な表現がある作品は少なくない、と思います。川端康成や三島由紀夫のような「本物」では無くても、「なんとなく作品にBL的な香りがするなぁ」「そんな風に解釈できるんじゃない?」という感じ。
今回の特集では、三浦しをんさんと松岡なつきさんがいくつかの作品について、「BL脳で読む名作文学案内」として対談しており、その内容がなかなか興味深く、そして面白かったですね。
松岡さん曰く、「銀河鉄道の夜」におけるBLは、主人公であるジョバンニとカンパネルラ、では無く、ジョバンニ父とカンパネルラ父、に対してこそBLを感じるんだそうで。
三浦さんも同感との事。さすがだ…。
他に挙げられていたのは「白鯨」、「雨月物語(菊花の約)」「山月記」「平家物語」「こころ」「走れメロス」。「白鯨」以外は一応読んだ事がある作品(平家物語に関しては部分的ですが)ばかりなので、お二人の対談内容に関しては共感する部分が多かったです。
女性は相手が男性でも女性でも「男惚れする」という感覚があるけれど、男は女に「男惚れ」はしない。男は自分と同じ男が活躍する方が嬉しく幸せ。男の人は男の活躍を見て興奮する。
というような理由が2人によって語られています。なので
「文学者たちもそうで、みんな男が好きなんですよね。だから、文学の中からBLの匂いを嗅ぎとれと言われたら、そこらじゅう全部の本がそうとも言える(笑)」松岡
だそうで。
大納得
これは近代文学を読むとなんとなく感じることですが、別に性的な意味での男×男じゃないけれど、「本当に理解し、心を分かち合えるのは男同士だけ」という雰囲気の話は結構あります。
「走れメロス」のメロスとセリヌンティウスの関係は、池波正太郎の書く時代小説にも時折出てくる「念友」(衆道の契りを交わした友人)に近いものがあるなぁ、と感じますしね。
対談以外の所では、「名作のBLサイドストーリー」として4作品ほど「外伝」というスタイルで短い小説と漫画がありました。
その中に、太宰治の「ダス・ゲマイネ」を元にしたサイドストーリーがあったのですが、太宰と言えば「駆け込み訴え」もかなりBLっぽいよなぁ、と。でも、題材が題材なのであまり大きな声では主張出来ないかな(苦笑)
にしても、私にとってダヴィンチは好きだけれど危険な雑誌だなぁ、と実感。だって、買うたびに欲しい本が増えるんですよ…。うう、今回も紹介されている本で読んでみたいのがたくさんあったよぅ…。
ご挨拶が遅れた上に、年頭の記事に書き込まずこちらにお邪魔してしまいました(ぺこり)
実は、高校生の時に「こころ」を読んだのですが、自殺してしまったKの心情が理解できず(だって、告白もしてない女性が親友と結婚してしまったからって世を儚むなんて)
無理やり「昔の人は心がピュアだったんだなあ」と思っていましたが・・・。
あれから数十年、いま読み返したら、きっと間違いなくいつもの場所にたどり着ける自信がありますっ!
・・・思えば遠くに来たもんだ(笑)
でも、アヤシイ意味ではない男が男に惚れるって、日本人の好きな友情・根性・青春の必須アイテムですよね。
これ以上は暴走しそうなので自重いたしますが。
こんなサクラですが、今年もよろしくお願いいたします !
「こころ」のKの心情は、初めて読んだ時には「失恋と親友の裏切りによって」、とそのまんまに思ったんですが、今読むとどうしても別方向へ深読みしちゃいそうですよね(苦笑)
漱石が知ったら怒られそうですけれども(汗)
>でも、アヤシイ意味ではない男が男に惚れるって、日本人の好きな友情・根性・青春の必須アイテムですよね。
確かに。私の場合はそこに「命がけ」みたいなものが加わるとより萌えますね(笑)
この手の話は暴走すると止まりませんが、それはそれで楽しくもあり〜。
今回のダヴィンチの記事はとても面白かったです。
http://tomotaroukun.blog116.fc2.com/
>「本当に理解し、心を分かち合えるのは男同士だけ」
これはすっごい理解できます。今年75歳になる伯母と熱く
語り合ったのですが、【攻殻機動隊」のバトーとトグサとか
典型的な例ですよね。後はやっぱり三国志とか戦国武将とか。
三木眞一郎さんも、なんでボーイズラブの仕事を喜んで引き受けるのかって、
「実際日本には衆道とか、歴史がある。男同士の強い絆みたいなのは
きちんと歴史でも証明されている」って凄く熱く
森川帝王と語っていた。
どーしても女性は男性よりリアリスティックに全てを見ることが多いからね。
いつまでもピュアで、悪く言うと朴訥で単純な男同士の関係に惹かれてしまうのかもしれないね。
>今年75歳になる伯母と熱く語り合ったのですが
そんな伯母さまがいらっしゃるとは!羨ましい。私も話に混ざりたい。
そうなんですよ、バトーとトグサの関係は私も大好きです。性的な匂いは全然しないけれど、あの二人の間に流れる関係性には素子でも入れない感じです。
日本の衆道には単なる「お稚児さん趣味」だけじゃない、命のやりとりすら厭わない関係性があるだけに、惹かれる部分が大きい気がしますね。
三木さんもただ演じているだけじゃなくて、きっと歴史的な事も調べたりしていらっしゃるんでしょう。
深いですね〜。