TPP「何が一緒に達成できるか」見るべき キッシンジャー博士が講演

2011.11.14 19:44

国際秩序のあり方について語るキッシンジャー博士=岡山市北区

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 元米国務長官のヘンリー・A・キッシンジャー博士(88)を招いたフォーラム「提言 新たな国際秩序の構築へ~日本は世界にどう向き合うべきか」(岡山放送主催、産経新聞後援)が14日、岡山大(岡山市北区)で開かれ、約400人が熱心に耳を傾けた。

 国際情勢についてキッシンジャー博士は「中心が大西洋から太平洋に移ってきた」と分析。米国は中露との関係で新たな問題に対応し、かつ伝統的な友好関係をいかに維持するかの課題を抱えているとし、「日本も同じだ」とした。

 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)には「日本の中の議論は『どんな犠牲を払うか』だが、『何が一緒に達成できるか』という議論でみるべき」と指摘。経済的、軍事的に台頭する中国には「対決姿勢を選ぶと日本と中国、米国の関係が緊張するばかりか、他の国も追い込むことになる」との懸念を示し、「日米が一緒になって、中国の指導者に働きかけなければならない」と述べた。

 国際秩序における日本の役割には「日本は太平洋の国でありアジアの国。両方向における建設的な役割を果たせると思う」などと期待感を示した。

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