コーチもしつこく指導するが、筋力の弱い女子は緊張や疲労で、3回転することも厳しかったりする。特にジュニアの試合ではunder-rotationはよくある。
昨年12月、ジュニアグランプリ(GP)ファイナル4位の庄司理紗(西武東伏見FSC)のフリーは一見、クリーンな演技だったが、7個の3回転ジャンプ中4個がunder-rotation。
■踏み切る前の回転不足のチェックは甘く
今季GPシリーズ中国大会の村上佳菜子(中京大中京高)も靴の不備もあって練習不足だったからなのか、7個の3回転ジャンプ中4つがunder-rotationだった。そのうち、転んだのは1つだけで、後は着氷は決まっていた。under-rotationが多かったため、2人とも思ったより得点が出なかったのである。
しかし、指導者の間ではまだ、「回転不足判定が甘い」という人が少なくない。着氷時の回転不足には厳しい一方、「随分前から主張しているけれど、踏み切る前の回転不足がまだ、きちんとチェックされていない」(平松さん)。
フリップだけでなく、トーループ、ループ、サルコーの4つのジャンプは順回転して勢いをつけてから跳ぶ選手が少なくない。中にはまだ足が離れていないのに、既にジャンプしているかのように見せる“テクニック”を持った人がいる。
しかし、そこにはISUもなかなか本腰を入れない。踏みきり前の判定は、着氷時よりも難しいこともあるのだろう。
さて、ファンが回転不足に“通”になることは、個人的にはお薦めしません。純粋に観戦を楽しめませんから。
もし、好きな選手の得点が思ったよりも低かったら、「回転不足をしちゃったのかな?」と思うくらいにした方がいいのではと思いますが、いかかでしょうか。
(原真子)
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