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2009-03-11
有機野菜は安全か?安心か?−農薬だけが危険なのか?
ニューヨークタイムズの記事。
It's Organic, but does that mean it's Safer?
結構いい記事だと思うので全文訳を追記に書いておきます(いい加減です、しかし長いわ)。
アメリカでは去年のサルモネラ菌による食中毒が問題になっていて
中でも原因となったピーナッツバターの中に
USDAの有機栽培の証明が与えられていたものもあったため、
今まで「オーガニック教」の信者だった人が何を信じていいのかわからなくなっている、という話。
(アメリカ人は信じられないぐらいピーナッツバターが好きな人が多い)
このピーナッツの問題はアメリカの有機認証が機能不全に陥っていたために起きたとされていますが、
問題の核心はそこではありません。
(もちろん日本もエセ有機問題は頻発しています)
「有機栽培であること」が「安全であること」を全く保証していない、という事実に
アメリカの消費者は動揺したのでしょう。
(英国では「有機野菜は健康に良い、安全だ、栄養がある、美味しい」とアピールすることは科学的根拠に欠けるために禁止されています、テレ東は完全にアウツだね)
そもそも「有機栽培」とは何を意味するのか。
「無農薬」と同義だと思っていませんか?これら二つは違うものです。
JAS法有機農産物表示規格
を読んでいただければよいかと思いますが、
有機栽培でも30種類ほどの農薬を使用することができます。
有機栽培の主な条件は
「2年以上、化学合成肥料や指定された以外の農薬を使用していないこと」です。
もし指定されていない農薬の残留量が健康に「有意に」影響があるとすれば、
有機栽培は慣行栽培よりも安全なものといえるのでしょうか?
答えはNOだと私は思います。
ここで重要なのは以前も紹介した[Risk vs Risk]の問題です。
端的な言葉で言うとリスクトレードオフです。
あるリスクを軽減するとあるリスクが上昇するような状況を言います。
ひとつ例を挙げると
「運動不足を解消するために自転車で通勤する」
ことにしたとすると、健康リスクは幾分下がるでしょう。
しかし一方「交通事故にあって死亡するリスク」は上昇しているでしょう。
有機農産物が慣行栽培に比較して微生物リスクが高いことがいくつか報告されています。
大腸菌群やセレウス菌、サルモネラ菌などの検出率は有機栽培のほうが高い。
これらの病原菌は有機肥料、つまり糞便が不完全発酵している場合に問題になります。
「完全に発酵した」ことを確認したつもりでも大量の肥料のなかに一部未発酵の部分があることは
確率的に避けられないでしょう。
完全発酵させる時間と手間(金)を惜しむ心無い(技術が無いとも言う)農家がいることもあるでしょう。
とにかく市場に出回っている有機農産物が病原性大腸菌O−157やサルモネラ菌をホストしている確率は慣行のものより高いと考えられます。
この記事のようにねずみなどを放置するのは論外ですが、
食中毒は気をつけていても起こりうるリスクだということは認識しておくべきです。
私は有機栽培とは環境への負荷が小さい農業のことだと考えています。
これはヨーロッパでLCAで研究が進んでいて
ほぼ間違いないようだと言われています。
(以前国際会議でEUのえらいおっさんに
「low intensiveであることがsustainableであることを意味するのか?」と聞いたところ
「It's complicated, but basicaly YES」だと言われたので一応信じている)
有機の安全神話を妄信していると、いつアメリカから有機不信が飛び火してくるかわかりませんよ?
(不思議なくらい日本では報道が少ない。日本でも食中毒は結構多いんだけど)
It's Organic, but does that mean it's Safer?
結構いい記事だと思うので全文訳を追記に書いておきます(いい加減です、しかし長いわ)。
アメリカでは去年のサルモネラ菌による食中毒が問題になっていて
中でも原因となったピーナッツバターの中に
USDAの有機栽培の証明が与えられていたものもあったため、
今まで「オーガニック教」の信者だった人が何を信じていいのかわからなくなっている、という話。
(アメリカ人は信じられないぐらいピーナッツバターが好きな人が多い)
このピーナッツの問題はアメリカの有機認証が機能不全に陥っていたために起きたとされていますが、
問題の核心はそこではありません。
(もちろん日本もエセ有機問題は頻発しています)
「有機栽培であること」が「安全であること」を全く保証していない、という事実に
アメリカの消費者は動揺したのでしょう。
(英国では「有機野菜は健康に良い、安全だ、栄養がある、美味しい」とアピールすることは科学的根拠に欠けるために禁止されています、テレ東は完全にアウツだね)
そもそも「有機栽培」とは何を意味するのか。
「無農薬」と同義だと思っていませんか?これら二つは違うものです。
JAS法有機農産物表示規格
を読んでいただければよいかと思いますが、
有機栽培でも30種類ほどの農薬を使用することができます。
有機栽培の主な条件は
「2年以上、化学合成肥料や指定された以外の農薬を使用していないこと」です。
もし指定されていない農薬の残留量が健康に「有意に」影響があるとすれば、
有機栽培は慣行栽培よりも安全なものといえるのでしょうか?
答えはNOだと私は思います。
ここで重要なのは以前も紹介した[Risk vs Risk]の問題です。
端的な言葉で言うとリスクトレードオフです。
あるリスクを軽減するとあるリスクが上昇するような状況を言います。
ひとつ例を挙げると
「運動不足を解消するために自転車で通勤する」
ことにしたとすると、健康リスクは幾分下がるでしょう。
しかし一方「交通事故にあって死亡するリスク」は上昇しているでしょう。
有機農産物が慣行栽培に比較して微生物リスクが高いことがいくつか報告されています。
大腸菌群やセレウス菌、サルモネラ菌などの検出率は有機栽培のほうが高い。
これらの病原菌は有機肥料、つまり糞便が不完全発酵している場合に問題になります。
「完全に発酵した」ことを確認したつもりでも大量の肥料のなかに一部未発酵の部分があることは
確率的に避けられないでしょう。
完全発酵させる時間と手間(金)を惜しむ心無い(技術が無いとも言う)農家がいることもあるでしょう。
とにかく市場に出回っている有機農産物が病原性大腸菌O−157やサルモネラ菌をホストしている確率は慣行のものより高いと考えられます。
この記事のようにねずみなどを放置するのは論外ですが、
食中毒は気をつけていても起こりうるリスクだということは認識しておくべきです。
私は有機栽培とは環境への負荷が小さい農業のことだと考えています。
これはヨーロッパでLCAで研究が進んでいて
ほぼ間違いないようだと言われています。
(以前国際会議でEUのえらいおっさんに
「low intensiveであることがsustainableであることを意味するのか?」と聞いたところ
「It's complicated, but basicaly YES」だと言われたので一応信じている)
有機の安全神話を妄信していると、いつアメリカから有機不信が飛び火してくるかわかりませんよ?
(不思議なくらい日本では報道が少ない。日本でも食中毒は結構多いんだけど)
エレン・ドゥブリン・サンプルさんのキッチンにある鶏肉や果物や野菜のほとんどは「有機」だった。
彼女はそれが慣行のものよりもおいしいと思っていたし、子供たちの健康にとってより良いと信じていた。
しかし、後に彼女はそれを信じられなくなる。
国中を騒がせたピーナッツ製品に含まれていたサルモネラ菌による食中毒は、
彼女のような「有機」製品がより安全であると考えていた人たちを動揺させている。
テキサスとジョージアから出荷されて混入騒ぎとなった
ピーナッツバターやピーナッツ製品の原料となった植物の周りには、
げっ歯類、かび、鳥の落し物が蔓延していたのだ。
それらの製品は「有機の証明書」も持っていたのだ。
「有機のピーナッツバターがどうしてJifのものより安心だと言えるの?」
*Jif=(慣行のピーナッツバターメーカー)
と正看護師としてNYで働くドゥブリン・サンプルさんは言う。
「もしサルモネラをピーナッツバターから摂取してしまうとしたら、全ての前提が白紙になってしまう」
有機食品の管理ルールは健康影響検査と疾病管理計画を求めているにも関わらず、
有機栽培の証明に関わる手続きは食品の安全性をなんら保証していない。
「有機農産物にはいくつかの健康への利益があるので*注
人々は病原体に関してもより安全だろうと外挿してしまいます」
消費者ユニオンの主任研究者で政策研究家のウルヴァシ・ランガン氏は言う。
「必ずしも、(有機農産物が)安全だと考えることはできないだろう」
*訳者注
私の知る限りでは有機農産物が慣行のものよりも健康に良いことを示せた例は一つも無い。
おそらく残留農薬が少ない、または無いことを根拠にしているのだろうが、
健康に対して有意な影響を与えることを検出することはできていない(そしておそらくできないだろう)。 注了
しかし有機食品に50%も高い値段を支払っている人々は
「より安全であることは義務だ」と考えている。
最近の合衆国における有機ブームは、
ごく少数の、彼らがより土地にとって好ましく、より健康な作物を作ることができると信じた方法で営農する、
カウンターカルチャー(主流に反した)農家たちによって始まった。
それは農家と消費者の関係を強化する、純粋さと信用に基づいた文化だったのだ。
2002年以降、その理想はさまざまな困難を伴いながら、
連邦のいくつかの規制として「翻訳」されていった。
すなわち殺虫剤の使用を減らし、さまざまな種類の飼料を禁止し、
多くの農業における習慣を禁止することだった。
USDAは、緑と白の「有機」のシールを貼ることを誰に許可するかを決定するために、
代理認証機関としてさまざまな組織や企業、さらにいくつかのケースでは州職員などを任命してきた。
それらの認証機関は条件に合致するかを検査するために、
農家や業者から料金を得ていた。
いくつかの要因によってその価格は数百ドルから数千ドルにもなった。
ひとつの製品を作るために6つも7つもの材料を使う加工業者は
特に代理人組織に大きく依存した。
もしこれらの代理人が職務を果たしていたならば、システムは機能しただろう。
しかし、それは時に失敗した。
テキサス州当局は先月、ピーナッツコーポレーションオブアメリカ(サルモネラのアウトブレイクの中心となった、以下PCA)を担当していた州職員を解雇した。
なぜなら彼はPCAが州の定める衛生証明を満たしていないにも関わらず
有機作物だとして認定し続けていたからだ。
ある民間機関の認証代理人は、7ヶ月も前から
USDAがジョージア州のピーナッツ会社の有機認定を取り消すように推奨していた。
しかし、それは企業が遅まきに膨大な量のリコールを行った後になってから初めて行われたのである。
少なくとも3000もの製品がリコールされ、
その中には有名なクリフバーやカスカディアンファームの有機製品も含まれていた。
現在までに、9人が死亡し700人もの人々が食中毒にあった。
7月にジョージアのピーナッツ会社に
彼らの製品がもはや有機認証に値しないことを知らせていたのは
民間のOCIAという認証機関の取締役であるジェフ・シーであった。
彼はなぜ彼の会社が認証を取り下げるよう要求したのかについて話そうとしなかった。
2度目の通知は9月に行われた。しかし2月4日になるまでUSDAには、
彼らが有機ラベルを使うための能力を失っていることを通知されなかった。
シー氏はピーナッツ会社は当初から問題を解決しようとしていたという。
しかし彼が言うには企業は情報を公開するのが遅すぎ、
また担当者を変更したことがさらにそのプロセスを遅らせたのだという。
彼は彼の機関は最終的にピーナッツの植物体からサルモネラ菌が検出されて
その会社の有機認証を取り消すことを決めたという。
認証機関は有機業者に問題を修正するための指示と時間を与えていた。
しかし、USDAの有機農産物プログラム担当官のバーバラ・ロビンソンは
最初の条件不履行の通知(7月)と認証取り下げの推奨(2月)との間のギャップについて
彼女の部下が調査しているところだと言った。
ロビンソンは基本的な健康被害の報告は有機農作物の調査担当者の仕事の一部であることを強調するために
先週、96の国内、海外の有機認証を行う機関に対し、
彼らが殺虫剤のレベルと作物の管理技術の先を見据えることが彼らの義務だ、
という旨の命令を出した。
ねずみのような潜在的な健康被害の原因となるもの
−テキサスとジョージアの場合に報告された−
は公衆衛生当局に報告する義務がある、と命令は言う。
「例えば、私たちは有機認証者にサルモネラなどの病原菌の検出を要求していないが
明らかにそれらのソースとなる鳥やげっ歯類やほかの動物などの病原体汚染について
明らかなものは報告されなくてはならない」とロビンソンは言う。
食品の安全性を保証することは認証代理人の仕事ではないという人もいるだろうが、
衛生検査を実施することは消費者の助けとなるだろう。
「第三者の目を取り入れることはひとつの保険だ。たくさんの監視を受けることは良いことだ」
CALサンタクルスの最古参で最大の企業のひとつであるCCOFの販売マーケティング担当取締役のジョン・ベイカーは言う。
「しかし食品の安全性コントロールがオーガニックの問題であるかのように混乱させるのはやめてくれ」
合衆国の有機市場は2001年から現在までの間に11億ドルから20億ドルへと拡大してきた。
したがって農家と処理業者、認定業者の利害関係はより大きくなっているだろう。
しかし認証プロセスを監視する部門は財源、人員ともに不足しているとずっと言われてきた。
批評家はシステムは機能不全だと指摘している。
メイン州のブルーベリー農家で認証を受けた、アーサー・ハーヴェイは認証業者は
彼らに金を支払う会社に賛同するようなインセンティブを持っている、と指摘する。
「認証業者は金銭的な意味で、依頼者が(有機認証を)続けることを望んでいる」と彼は言う。
一方で消費者は認証に関してより懐疑的になっている、と
市場調査会社であるハートマングループの社長であるラウリー・ドゥメリットは言う。
購買者は食物が地元で生産され、それを生み出す動物が人道的に扱われ、それに従事する人々が十分な対価を得ていることを望んでいる。
しかし有機認証はそのどれも意味しない。
「彼らはオーガニックの価値そのものを疑問視し始めている」とドゥメリットは言う。
1700もの会社で構成される有機商会(The Organic Trade Assosiation)は
有機農産物のイメージを何とか支えたいと思っている。
彼らはこの一週間でウェブを中心に50万ドルもの広告費をかけて
有機の魅力を訴えている。スローガンは「オーガニック、それは価値がある」
USDAの有機農産物プログラムの支援者たちは
最近の農場に関する事案に、よりお金をかけることが、彼らの調査の助けになると考えている。
そして先ごろ農務副長官に任命されたタフツ大学のキャスリーン・A・メリガンに大きな希望が託されている。
メリガンはアメリカの有機栽培認定の条件をデザインするために活躍し、
有機農家のチャンピオンとしてみなされ、連邦の食の安全性に関する法を
はっきりさせ強化することに役立つと考えられている。
一方で消費者はいまだに(有機ラベルがあるほうか無いほうか)どちらの商品が
より安全でおいしいのかについて戸惑ったままだ。
バッファロー在住のエミリー・ウィッコフは可能な限り
地産のものを買い、自分で調理するようにしている。
しかし彼女はまだ有機ミルクを買い、有機ピーナッツバターを買っているが
彼女にとって有機ラベルはもはや意味がないものとなった。
特にクラッカーやクッキーのように加工されたものは。
「私は気をつけたい、でも私たちはどこかで妥協しなくてはならないのよ」と彼女は言う。
しかしその妥協点は止まってしまった、問題が安全性になった時に。
最近(Jifの、つまり慣行の)Peter Pan and Skippy のロゴの近くにその製品がピーナッツの混入問題と無縁であることを謳っているのを近所の食料品店で見つけた。彼女は言う。
「私、国産のブランド(Jifのことかと)を買ったわ、これってなんか可笑しくない?」
彼女はそれが慣行のものよりもおいしいと思っていたし、子供たちの健康にとってより良いと信じていた。
しかし、後に彼女はそれを信じられなくなる。
国中を騒がせたピーナッツ製品に含まれていたサルモネラ菌による食中毒は、
彼女のような「有機」製品がより安全であると考えていた人たちを動揺させている。
テキサスとジョージアから出荷されて混入騒ぎとなった
ピーナッツバターやピーナッツ製品の原料となった植物の周りには、
げっ歯類、かび、鳥の落し物が蔓延していたのだ。
それらの製品は「有機の証明書」も持っていたのだ。
「有機のピーナッツバターがどうしてJifのものより安心だと言えるの?」
*Jif=(慣行のピーナッツバターメーカー)
と正看護師としてNYで働くドゥブリン・サンプルさんは言う。
「もしサルモネラをピーナッツバターから摂取してしまうとしたら、全ての前提が白紙になってしまう」
有機食品の管理ルールは健康影響検査と疾病管理計画を求めているにも関わらず、
有機栽培の証明に関わる手続きは食品の安全性をなんら保証していない。
「有機農産物にはいくつかの健康への利益があるので*注
人々は病原体に関してもより安全だろうと外挿してしまいます」
消費者ユニオンの主任研究者で政策研究家のウルヴァシ・ランガン氏は言う。
「必ずしも、(有機農産物が)安全だと考えることはできないだろう」
*訳者注
私の知る限りでは有機農産物が慣行のものよりも健康に良いことを示せた例は一つも無い。
おそらく残留農薬が少ない、または無いことを根拠にしているのだろうが、
健康に対して有意な影響を与えることを検出することはできていない(そしておそらくできないだろう)。 注了
しかし有機食品に50%も高い値段を支払っている人々は
「より安全であることは義務だ」と考えている。
最近の合衆国における有機ブームは、
ごく少数の、彼らがより土地にとって好ましく、より健康な作物を作ることができると信じた方法で営農する、
カウンターカルチャー(主流に反した)農家たちによって始まった。
それは農家と消費者の関係を強化する、純粋さと信用に基づいた文化だったのだ。
2002年以降、その理想はさまざまな困難を伴いながら、
連邦のいくつかの規制として「翻訳」されていった。
すなわち殺虫剤の使用を減らし、さまざまな種類の飼料を禁止し、
多くの農業における習慣を禁止することだった。
USDAは、緑と白の「有機」のシールを貼ることを誰に許可するかを決定するために、
代理認証機関としてさまざまな組織や企業、さらにいくつかのケースでは州職員などを任命してきた。
それらの認証機関は条件に合致するかを検査するために、
農家や業者から料金を得ていた。
いくつかの要因によってその価格は数百ドルから数千ドルにもなった。
ひとつの製品を作るために6つも7つもの材料を使う加工業者は
特に代理人組織に大きく依存した。
もしこれらの代理人が職務を果たしていたならば、システムは機能しただろう。
しかし、それは時に失敗した。
テキサス州当局は先月、ピーナッツコーポレーションオブアメリカ(サルモネラのアウトブレイクの中心となった、以下PCA)を担当していた州職員を解雇した。
なぜなら彼はPCAが州の定める衛生証明を満たしていないにも関わらず
有機作物だとして認定し続けていたからだ。
ある民間機関の認証代理人は、7ヶ月も前から
USDAがジョージア州のピーナッツ会社の有機認定を取り消すように推奨していた。
しかし、それは企業が遅まきに膨大な量のリコールを行った後になってから初めて行われたのである。
少なくとも3000もの製品がリコールされ、
その中には有名なクリフバーやカスカディアンファームの有機製品も含まれていた。
現在までに、9人が死亡し700人もの人々が食中毒にあった。
7月にジョージアのピーナッツ会社に
彼らの製品がもはや有機認証に値しないことを知らせていたのは
民間のOCIAという認証機関の取締役であるジェフ・シーであった。
彼はなぜ彼の会社が認証を取り下げるよう要求したのかについて話そうとしなかった。
2度目の通知は9月に行われた。しかし2月4日になるまでUSDAには、
彼らが有機ラベルを使うための能力を失っていることを通知されなかった。
シー氏はピーナッツ会社は当初から問題を解決しようとしていたという。
しかし彼が言うには企業は情報を公開するのが遅すぎ、
また担当者を変更したことがさらにそのプロセスを遅らせたのだという。
彼は彼の機関は最終的にピーナッツの植物体からサルモネラ菌が検出されて
その会社の有機認証を取り消すことを決めたという。
認証機関は有機業者に問題を修正するための指示と時間を与えていた。
しかし、USDAの有機農産物プログラム担当官のバーバラ・ロビンソンは
最初の条件不履行の通知(7月)と認証取り下げの推奨(2月)との間のギャップについて
彼女の部下が調査しているところだと言った。
ロビンソンは基本的な健康被害の報告は有機農作物の調査担当者の仕事の一部であることを強調するために
先週、96の国内、海外の有機認証を行う機関に対し、
彼らが殺虫剤のレベルと作物の管理技術の先を見据えることが彼らの義務だ、
という旨の命令を出した。
ねずみのような潜在的な健康被害の原因となるもの
−テキサスとジョージアの場合に報告された−
は公衆衛生当局に報告する義務がある、と命令は言う。
「例えば、私たちは有機認証者にサルモネラなどの病原菌の検出を要求していないが
明らかにそれらのソースとなる鳥やげっ歯類やほかの動物などの病原体汚染について
明らかなものは報告されなくてはならない」とロビンソンは言う。
食品の安全性を保証することは認証代理人の仕事ではないという人もいるだろうが、
衛生検査を実施することは消費者の助けとなるだろう。
「第三者の目を取り入れることはひとつの保険だ。たくさんの監視を受けることは良いことだ」
CALサンタクルスの最古参で最大の企業のひとつであるCCOFの販売マーケティング担当取締役のジョン・ベイカーは言う。
「しかし食品の安全性コントロールがオーガニックの問題であるかのように混乱させるのはやめてくれ」
合衆国の有機市場は2001年から現在までの間に11億ドルから20億ドルへと拡大してきた。
したがって農家と処理業者、認定業者の利害関係はより大きくなっているだろう。
しかし認証プロセスを監視する部門は財源、人員ともに不足しているとずっと言われてきた。
批評家はシステムは機能不全だと指摘している。
メイン州のブルーベリー農家で認証を受けた、アーサー・ハーヴェイは認証業者は
彼らに金を支払う会社に賛同するようなインセンティブを持っている、と指摘する。
「認証業者は金銭的な意味で、依頼者が(有機認証を)続けることを望んでいる」と彼は言う。
一方で消費者は認証に関してより懐疑的になっている、と
市場調査会社であるハートマングループの社長であるラウリー・ドゥメリットは言う。
購買者は食物が地元で生産され、それを生み出す動物が人道的に扱われ、それに従事する人々が十分な対価を得ていることを望んでいる。
しかし有機認証はそのどれも意味しない。
「彼らはオーガニックの価値そのものを疑問視し始めている」とドゥメリットは言う。
1700もの会社で構成される有機商会(The Organic Trade Assosiation)は
有機農産物のイメージを何とか支えたいと思っている。
彼らはこの一週間でウェブを中心に50万ドルもの広告費をかけて
有機の魅力を訴えている。スローガンは「オーガニック、それは価値がある」
USDAの有機農産物プログラムの支援者たちは
最近の農場に関する事案に、よりお金をかけることが、彼らの調査の助けになると考えている。
そして先ごろ農務副長官に任命されたタフツ大学のキャスリーン・A・メリガンに大きな希望が託されている。
メリガンはアメリカの有機栽培認定の条件をデザインするために活躍し、
有機農家のチャンピオンとしてみなされ、連邦の食の安全性に関する法を
はっきりさせ強化することに役立つと考えられている。
一方で消費者はいまだに(有機ラベルがあるほうか無いほうか)どちらの商品が
より安全でおいしいのかについて戸惑ったままだ。
バッファロー在住のエミリー・ウィッコフは可能な限り
地産のものを買い、自分で調理するようにしている。
しかし彼女はまだ有機ミルクを買い、有機ピーナッツバターを買っているが
彼女にとって有機ラベルはもはや意味がないものとなった。
特にクラッカーやクッキーのように加工されたものは。
「私は気をつけたい、でも私たちはどこかで妥協しなくてはならないのよ」と彼女は言う。
しかしその妥協点は止まってしまった、問題が安全性になった時に。
最近(Jifの、つまり慣行の)Peter Pan and Skippy のロゴの近くにその製品がピーナッツの混入問題と無縁であることを謳っているのを近所の食料品店で見つけた。彼女は言う。
「私、国産のブランド(Jifのことかと)を買ったわ、これってなんか可笑しくない?」
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