国語世論調査:「寒っ」8割以上の人が気にならないと回答

2011年9月15日 21時11分 更新:9月16日 0時37分

 冷たい外気に触れた際の感覚を表現する言葉「寒(さむ)っ」について8割以上の人が気にならないと考えていることが15日、文化庁の10年度国語に関する世論調査で分かった。「姑息(こそく)」は本来と違う意味にとらえる人が多数派を占め、「声を荒(あら)らげる」などの慣用句も誤認が多い。いわゆる「ら抜き言葉」については使う人が増えていた。

 「寒っ」については、「冬に暖房の利いた建物から気温の低い外に出た」との状況で当てはまる選択肢の回答を求めた。冗談がつまらなかったような状況について尋ねたわけではない。「自分も使うし、他人が言うのも気にならない」が62.8%、「自分は使わないが、他人が言うのは気にならない」が22.2%で、計85%が気にならないと答えた。同様に形容詞を短縮させる言い方の「すごっ」「短っ」「長っ」「うるさっ」についても6割以上が気にならないとした。

 形容詞「寒い」の語幹である「さむ」の用例は19世紀初頭の江戸時代からあるが、今回の調査結果について、同庁の氏原基余司・主任国語調査官は「使われる形容詞が広がっている。テレビでもよく使われ、抵抗感がなくなっている」と話している。

 言葉の意味では、「姑息」を70.9%が「ひきょうな」と選び、本来の意味である「一時しのぎ」は15%だった。慣用句を見ると、「大きな声を出すこと」について、79.9%が「声を荒(あ)らげる」と答え、「声を荒(あら)らげる」と正答したのは11.4%にすぎなかった。

 95年度から5年ごとに調べている「ら抜き言葉」は、「来れますか」を使う人が05年度比7.8ポイント増の43.2%と、「来られますか」の47.9%と拮抗(きっこう)。「どちらも使う」の8.1%と合わせると、「来れますか」を使う人が初めて過半数を占めた。

 1952年の官房長官通知によって公用文では使わないとされた12語について尋ねたところ、「措置」「一環として」「即応した」「堅持する」など9語は過半数が「問題ない」と回答した。

 調査は今年2月、全国の16歳以上の男女を対象に個別面接により実施。2104人から回答を得た。【木村健二】

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