日本が今年は世界最大の“被援助国”――。東日本大震災の発生後、世界中から日本に対して多額の支援が集まっている。被災地支援のために米人気歌手レディー・ガガさんが売り出した1本5ドルのリストバンドは、発売48時間で25万ドル分が売れたほどだ。もっとも海外からの寄付金がどのように日本で配られるのかについては、よく知られていない点も多い。お金の流れを追った。
「とにかく日本を助けたかった」。米シアトルに住む会社員ジョン・エンドウさんは、震災発生の翌日、米アップルの音楽配信サービス「iTunes(アイチューンズ)」経由で、米国赤十字社に100ドル寄付した。被災した人たちの日々の生活に役立ててもらおうとの思いからだ。
これまでに米赤十字が東日本大震災に関連して集めた寄付金はレディー・ガガさんからの分も含めて約2億5000万ドル(6月6日時点)にものぼる。ただ、その金額が「義援金」として日本の被災者に直接、配られているわけではない。
■ハワイでの津波避難も支援
日本での巨大地震発生を受けて、ハワイ州やカリフォルニア州などの海岸地区では住民らを避難させる措置がとられた。こうした避難活動の支援として、5万ドルが支払われた。さらに「寄付金の約9%にあたる2300万ドルが管理費に充てられる。また米軍家族が日本から出国する際の支援として約30万ドルが使われた」(米赤十字の国際広報部アビー・ウィーバー氏)。
こうした費用を除いた残りが日本赤十字社に送金される。ただ、そのお金は、日赤の被災地救援活動に使う「海外救援金」に充当されることになる。海外救援金は日赤が各国の赤十字の意見を聞きながら運用できるもので、医療施設の復興支援や避難所向けの救援物資として使われ、被災者に直接、現金で配布されることはない。
レディー・ガガ
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