外貨準備とは<第二弾>
他国はどうなっている
日本の外貨準備は、絶対額でも対GDP比でも先進国で突出して多い。また、極端に米国債に偏っている点も見逃せない。IMFの統計によると、先進国が保有する外貨準備の総計は10年末で約3・1兆ごで、このうちドルが全体の56%。ユーロが21%、円か4%などとなっている。
一方、米財務省によれば、11年3月末時点で海外で保有されている米国債は全体で4.5兆ドル。トップは中国(香港除ぐ)で1兆1449億ドルに、日本は9079億ドルで2位だが、上位10力国・地域を見ると、日本を除けばいずれも新興国やオフショア(海外の租税優遇地)金融センターのある地域で、先進国では日本が異例だということが分かる。
国際金融市場はどう見ている
世界最大の借金国であり、消費国である米国に対して、経常黒字国の日本や中国が製品を輸出する一方、米国債の購入で米国の赤字を穴埋めする構造を「グローバルーインバランス」と呼んでいるが、この視点から見ると、日本の外貨準備はグローバルーインバランスを安定化させる役割を果たしている。
中国は、事実上の固定相場制を取っており、人民元を対ドルで固定するために巨額のドル買いを行い、外貨準備として米国債を大量に保有している。それが結果的に米国の経常赤字を穴埋めしている。しかし、日本は変動相場制をとっているにもかかわらず、巨額の米国債を保有しているため、先進国で唯一、米国の。赤字穴埋め基金'の役を担っている。
米国債を売ったことは
米国債購入という形で国際金融秩序に貢献しているように見える日本の外貨準備だが、過去にはドル売り介入、つまり米国債を売却したことがある。最近では、日本が金融危機に陥り、1ドル=140円台の円安になった98年に日米合意の下、約3兆円のドル売り介入を行った。今後も極端な円安が進んだ場合、「逆介入が行われる可能性はある」(財務省国際局)という。
橋本発言のトラウマ
ただし、日本の政府高官が米国債売却を口に出すことは、97年6月23日の橋本龍太郎首相(当時)の発言以来、事実上、封印されている。橋本首相は「米国債を売りたい誘惑にかられたことがある」と発言し、その翌日、ニューヨーク株式市場が87年のブラックマンデー以来の下げ幅を記録した。当時は、日本が世界最大の米国債保有国であり、金融市場での存在感も大きかった。発言の影響力の大きさに驚いた日本政府は火消しに懸命になり、その後は米国の。虎の尾"を踏んではならぬとばかりに米国債売却話はタブーになったと言われている。
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