県は9日、来年4月から県立中央病院(富山市西長江2)に小児外科を新設すると発表した。これに伴い、富山市民病院(同市今泉北部)の小児外科は来年3月末で廃止され、小児外科医2人は県立中央病院に移籍する。県立中央病院への小児外科の集約について、石井隆一知事は「県立病院は県内周産期医療の要。小児外科を作り、集中的に運用する方がいい」と説明した。【岩嶋悟】
県は、県立中央病院に、周産期の母子に高度医療を提供する総合周産期母子医療センターを整備し、拡充を進めている。妊婦用の集中治療室である母体胎児集中治療室(MFICU)12床の運用を今年3月から開始。また、今月から新生児集中治療室(NICU)を6床増やし、29床態勢に。さらに来年5月には産科手術室が完成する予定。
県内の小児外科医は富山市民病院に2人と富山大付属病院に3人の計5人。富山市民病院では昨年度、延べ2165人の入院患者を受け入れ、計315件の手術を実施。さらに小児外科がなかった県立中央病院で年間10~20件の新生児の手術をしており、県内の医療関係者からは、県立中央病院に集中的な体制を整備すべきだとの要望が寄せられていた。
周産期医療の集約について、県医務課は「同じ場所で症例をこなす方が効率的で医療の質が上がる」としている。
毎日新聞 2011年11月10日 地方版
ウェブサイトが15分で簡単作成、しかも無料で
「はやぶさプロジェクト」のサポートチームに参画