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三陸鉄道の3カ月<下> あきらめたことはない

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久慈行のさんてつの車両=岩手県の陸中野田駅で、米田堅持撮影
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 「さんてつ」(三陸鉄道)のホームページには「三陸鉄道の復旧に向けて」という望月正彦社長のメッセージが掲載されている。そこには「自力で復旧できるのはここまでです」と記されている。

 だが、金野淳一運行本部長は「もちろん、あきらめたことはありません。島越にレールは無理でも信号ケーブルだけでも通したい。そうすれば宮古-小本間は手旗信号を使わなくても運行できる」と、さんてつ応援イベントを知らせるファクスを手に次へのステップを語った。

 ◇目的を持たない者は受け付けない 被災地フロントライン研修

 さんてつは、被災地を視察し研究したいという全国の要望に応え「被災地フロントライン研修」というガイドツアーを展開している。フロントライン研修を企画した岩手県中核観光コーディネーターの草野悟さんは「現地を見たい、被災した時にどうすべきか参考にしたいという声を受けて、一般的なツアーや単なる金稼ぎではないものをと考えた。目的に応じて視察場所はアレンジしている」と語る。

 「地域住民に白眼視されずにフロントライン研修ができるのはさんてつブランドが大きい。運転士や保線担当者だけでなく、被災者でもある旅行事務の担当者らが視察先との調整をしている。彼らがいるからこそできる企画だ」と地元企業ゆえの優位性を説明する。

 地元だからこそ被災者への配慮は当初から徹底している。道に迷ったり駐停車による渋滞原因を作らない▽自衛隊や警察、作業車両を優先させ事故を起こさない▽現場で作業の邪魔をしない▽撮影は被災者の感情に配慮し作業の妨げにならないようにする▽食事の場所などは事前に確認する▽危険な場所や避難所でのマナーを守り住民感情に配慮する▽宿泊施設は現場作業に従事する人を優先し、飲酒や騒音には十分注意する▽不要な支援物資を持ち込まない▽服装や持ち物は各自で準備する▽盛岡発着とする──といった原則を貫き、30件以上の研修を行った。

 「目的のないものや趣旨が合わないものは断っている。盛岡発着としたのは、一般的な旅行代理店ではできないことを地元で企画し地元の人でやることにこだわったから。将来の着地型観光の礎にしたい」と草野さんは復興後を見据えている。岩手県内の観光施設の被災状況を調べた愛車は3カ月で1万3000キロ以上を走ったという。

 ◇復旧は元通りのルートで

 6月末の時点でも、さんてつが運行を再開している区間は全線の3分の1、輸送力は10分の1ほど。南リアス線はすべて運休したままだ。「南リアス線はレールの損壊や津波によるがれきの流入がひどく、北リアス線よりも被害は深刻。車両も3両が津波の影響で自走できなくなっている。すぐにでも修理したいが、南リアス線の復旧にめどがたたないと……」。宮古駅のベンチに腰掛けた望月社長の表情が険しくなった。

 それでも「次は6億円ぐらいかかるが陸中野田-野田玉川(4キロ)を復旧させたい。取りかかれば1年以内にできる。島越や陸前赤崎は駅を数百メートル動かすことになるだろうが、将来的には元通りのルートで復旧させることにしている」と復旧への道筋を話してくれた。

 さんてつにとって運転資金の確保は、復旧費用同様に頭痛の種だ。パートなど約20人を解雇してコストカットをする一方で「きっと芽がでるせんべい」の新バージョンを売り出すなど関連グッズの販売にも力を入れている。「切符を1000枚購入したいという申し出があるなど、支援のために商品を買ってくれる人がいてありがたい。銚子電鉄のぬれせんべいみたいに危機を救ってくれたら」と望月社長は期待を寄せる。

 ◇地域の現実を考えたら鉄道の優位性は高い

 元々厳しい経営環境にあったさんてつにとって、震災は致命的打撃となった。道路の復旧が進み、自動車で移動することが可能になっても鉄道輸送にこだわる理由を望月社長に聞いた。

 「さんてつの運行区間は他に公共交通機関がないところもある。バスで運行したとしても、国道は山側を走っており沿岸部の地域へは2倍以上の時間がかかり、運行本数も減るだろう。冬になれば山道の国道は積雪もあり安全とはいえないだろう。地理的、気象的に地域の現実をみてほしい。鉄道の定時、高速、大量輸送能力の優位性は高い。震災前のアンケートでも70%以上の地域住民が必要と答えている」と力説する。記者は久慈と宮古をレンタカーで往復したが、国道45号線の山道はカーブも多く高低差もある。雪道での運転は慣れないと厳しいことは容易に想像できた。

 望月社長は花巻市出身の59歳。山形大を卒業後、1974年に岩手県職員として採用された。交通や観光、地域振興などを担当、久慈市の助役、盛岡地方振興局長などを務めた後、2010年3月に県庁を退職し、同年6月にさんてつ社長に就任した。役人出身で座っているだけというイメージはなく、自治体との交渉など復旧の先頭に立ってきた。「観光客だけでなく、ウニやアワビ、マツタケ、サケなどの特産品も運び、産業振興や食文化に寄与し、地域にもたらしたものは大きい」と地元交通や輸送の要だと強調した。

 ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇

 今回はさんてつの北リアス線を歩き関係者から話を聞いた。唯一無二の存在で競争相手がなければ価格は往々にして供給側の都合で決められるが、それにしてもさんてつは割引運賃で運行を続けているのだ。復旧費用を考えれば1円も無駄にできない非常時に、さんてつの決断は新鮮に映った。数字がさんてつに突き付けた現実は冷たく厳しい。しかし、地域住民にとって必要とされる存在である限り、多くの人々の力で暖かい風が吹き、さんてつが全面復旧する日を信じて「鉄Mai」は見守っていきたい。【米田堅持】

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