性犯罪:電子足輪を装着したまま犯行、今年に入り急増

昨年は3人、今年は14人

接近禁止区域以外では電子足輪装着も意味なし

 K被告(28)は今年6月末、大邱市中区の集合住宅で、ある部屋のガラス窓を開けて侵入し、寝ていたAさん(20)を刃物で脅して性的暴行を加え、逃走した。

 Aさんからの届け出を受けた警察がK被告を逮捕したところ、足首には電子足輪が付いていた。同様の手口の性犯罪で8年間服役し、昨年9月に出所したとき、法務部(省に相当)が装着を命じたものだ。警察の関係者は「事件現場は接近や出入りが禁止された区域ではないため、電子足輪は無用の長物だった」と話した。

 電子足輪を装着したまま性犯罪を犯した事件が、今年に入り急激に増加している。法務部によると、今月4日までに電子足輪を装着した状態で性的暴行を加えたり、わいせつ行為に及んだりした者は14人に上る。2008年は1人、09年は0人、昨年は3人だったが、今年は大幅に増加したことになる。

 法務部はその理由について「電子足輪の装着者の数が急増したため」と話した。08年9月30日、53人に装着を命じた電子足輪は、今月4日までに866人が装着の対象となった。このうち、強盗傷害や暴力犯罪などの前科がある者も装着の対象となっているため、性犯罪者に限れば484人が装着の対象だ。法務部は今年末までに、電子足輪の装着対象者が1000人を超えると予想している。

 問題は、電子足輪の装着対象者が急増している中、装着対象者による犯罪を防ぐための効果的な対策がないという点だ。

 法務部の関係者は「電子足輪は基本的に、性犯罪者の再犯を防ぐために導入されたものだが、電子足輪を装着した状態で性犯罪を犯すとなれば、これを防ぐ効果的な方法はない」と話した。

尹柱憲(ユン・ジュホン)記者
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