性犯罪:電子足輪を装着したまま犯行、今年に入り急増

昨年は3人、今年は14人

接近禁止区域以外では電子足輪装着も意味なし

 現在、電子足輪の装着対象者が、立ち入りや接近の禁じられている地域を訪れた場合、ソウル市東大門区徽慶洞の「位置追跡中央管制センター」の赤信号が点灯し、同センターは該当する地域の保護観察所に出動指示を下す。だが、装着対象者が昼間に接近できる地域で性犯罪を犯した場合、これを防ぐ方法はない。

 今年6月、釜山市でL被告(34)が、家出した女子中学生を自宅に連れ込み、性的暴行を加えた事件が代表的なケースだ。L被告は性犯罪の前科があり、昨年12月に出所した際、電子足輪の装着対象者になった。ところが、L被告は活動に制約がなかった午後4時ごろ、同市釜山鎮区の市場にいた女子中学生Aさん(13)を自宅に連れ込み、酒を飲ませ性的暴行を加えた。

 L被告の自宅がある場所は、幼稚園や小学校のような性犯罪の危険地域ではなく、犯行時間も早朝や夜間ではなく白昼だった。このため、性犯罪の死角地帯になっていたといえる。

 電子足輪の運用に関し責任を持つ法務部の保護監察課は「電子足輪の装着対象者の数が急増しているにもかかわらず、これを管理する担当者の数は3年前と変わっていないため、現実的に管理が不十分にならざるを得ない状況だ」と話した。

 法務部によると、中央管制センターには19人、全国の保護観察所(56カ所)には62人が勤務している。今年3月には、ソウル市北部の保護観察所に勤めていた職員が、度重なる出動による過労を訴え、自殺する事件も起こった。

尹柱憲(ユン・ジュホン)記者
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