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政治
【櫻井よしこ 野田首相に申す】日本の方向性を語れ
李大統領とハンナラ党は10月26日のソウル市長選で無所属で左派の朴元淳氏に敗北した。朴氏の勝利は来年の韓国議会および大統領選挙での左派勢力の台頭を示唆する。左傾化の様相をみせる韓国が歴史問題の蒸し返しに動き出した矢先に展開された野田外交には、日本の眼前に突きつけられた危機への警戒心が欠けているといわざるを得ない。
この種の首相の力量への疑問が普天間飛行場移設問題、TPP交渉への参加問題の議論に影を落としているのは確かだろう。
普天間飛行場移設問題は直接日米同盟を揺るがす問題だ。TPPは多国間の課題だが、米国への忌避感と絡めて議論されている。
だが、私たちはトモダチ作戦で日米同盟の意義を実感した。中国の台頭と脅威の前に、同盟の強化が欠かせないことも再認識した。
だからこそ、首相は寡黙を脱し、国民に日本の大きな戦略について語らなければならない。普天間移設問題は単に一飛行場の問題ではなく、米軍再編と日米同盟強化の大きな枠の中の問題であること、同時に、それは沖縄の負担の大幅な軽減につながることを、具体的に説くのだ。
TPPも同様だ。交渉参加は「米国の言いなりになる」ことと同義ではなく、また、そのようなことはしないと、安全運転の殻を打ち破って説き続けるのだ。21世紀のいま、アジア太平洋の秩序と繁栄の舞台作りに参加することによって、日本の未来展望を開いていくと、交渉参加の意義を雄弁に語ってみよ。
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