イタリアの国債価格が急落している事態を受けて、イタリアのナポリターノ大統領は緊急に声明を出し、ベルルスコーニ首相の辞任後も政治の空白を長期化させず速やかに次の政権を発足させると強調し、政治の混乱が長引くのではないかという市場の懸念の沈静化に努めています。
9日の債権市場では、近く辞任する意向を表明したベルルスコーニ首相のあとに安定した政権ができるのか不透明だという見方などから、イタリア国債の価格が前の日に続いて最安値を更新しました。こうした事態を受けて、新内閣の発足に向けた協議で中心的な役割を務めるナポリターノ大統領は、9日、緊急に声明を発表し、イタリア国債に対する圧力は警戒レベルに達したという認識を示しました。そのうえで、EU=ヨーロッパ連合に約束した経済の立て直しに向けた改革法案について、与野党の代表が数日のうちに議会で承認することに合意し、ベルルスコーニ首相も法案の可決後に必ず辞任するとしています。そして首相が辞任したあとは、速やかに新しい内閣が発足するか、または短期間のうちに総選挙を実施すると強調し、政治の混乱が長引くのではないかという市場の懸念の沈静化に努めています。