(CNN) フランス・カンヌの主要20カ国・地域(G20)首脳会議に出席したフランスのサルコジ大統領が、オバマ米大統領との私的な会話の中で、イスラエルのネタニヤフ首相を「うそつき」呼ばわりしていた――。フランスのウェブサイト「アレ・シュール・イマージュ」が、G20を取材した記者などの話を引用してそう伝えた。
同サイトによれば、サルコジ大統領はオバマ大統領との共同記者会見を前に交わした私的な会話の中で、ネタニヤフ首相について「我慢できない。彼はうそつきだ」と不満を漏らしたという。オバマ大統領は通訳を介して「あなたはうんざりしていると言うけれど、私はどうなる? 毎日彼を相手にしなければならないのだ」と応じたとされる。
会話は非公開のはずだったが、会場のマイクに拾われて報道陣の耳に入ってしまった。報道各社はG20主催者側への配慮などからこの発言をオフレコ扱いとすることを申し合わせたが、アレ・シュール・イマージュは記者の間で広まっていたうわさを聞きつけ、伝えることにしたという。ロイターとAP通信は8日、この報道を確認した。
会話の内容についてフランスの大統領府はコメントを避け、米国のカーニー大統領報道官もノーコメントを通した。イスラエル首相府もコメントを避けているが、米国のユダヤ人団体は「深く失望した」と述べ、中東和平交渉において中心的な役割を果たす米仏とイスラエルとの関係が損なわれる恐れもあると懸念を示した。
ネタニヤフ首相を批判してきたイスラエルの野党労働党の議員は、「わが国の首相が(米仏首脳に)うそつき呼ばわりされた」とすれば「恥ずべきこと」だと話している。