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イタリア国債:利回り7%台 ユーロ導入以来最悪水準に

イタリア10年物国債の利回りの推移
イタリア10年物国債の利回りの推移

 【ハノーバー(ドイツ北部)会川晴之】イタリア国債が9日の欧州債券市場で急落(利回りは上昇)し、指標となる10年物国債の利回りが、99年のユーロ導入以来初めて7%台をつけた。ギリシャなどが欧州連合(EU)に支援を要請した際とほぼ同じ水準で、危険水域に差し掛かっている。EU4位の経済規模を誇るイタリアに欧州債務危機が拡大すれば、世界経済に深刻な打撃を与えるのは確実で、欧州各国は早急な対応を求められている。

 ベルルスコーニ首相は8日夜、首相職を辞任する意向を表明したが、来年早々の総選挙実施まで職にとどまる考えも示唆した。このため、政局安定には時間がかかるとの懸念が高まり、パニック的なイタリア国債売りが続いている。

 イタリア国債の利回りは9日、前日終値より一時、0.7ポイント高い7.4%台をつけ、97年の水準となった。市場筋によると、欧州中央銀行(ECB)が市場で必死に買い支えているが、売り圧力が強くその後も7.3%前後で取引が続いている。

 イタリアの公的債務は、欧州最大の1兆8000億ユーロ(約190兆円)超。危機に陥った諸国を支援する欧州金融安定化基金(EFSF)の融資能力は2500億ユーロしかなく、万一の際には対応が不可能な規模だ。EUは、11月中をめどにEFSFを1兆ユーロ規模に拡大する方針を決めたが、国際通貨基金(IMF)や米英などが拠出に慎重な姿勢を崩しておらず、資金集めは難航している。

毎日新聞 2011年11月9日 21時30分(最終更新 11月10日 0時53分)

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