北海道のさんま漁は、例年と異なり、さんまの群れが三陸沖に南下せずに北海道の沖合にとどまっていることなどから、11月としては35年ぶりとなる豊漁が続いています。
さんま漁は、海水の温度が低下するのに合わせて、例年は魚の群れも10月中旬には三陸沖に南下します。しかし、ことしは東北沿岸の海水の温度が下がっていないことから、魚の群れが11月に入ってもまだ北海道東部の沖合にとどまっているということです。このため北海道東部の港では豊漁が続いていて、このうち厚岸漁港では、9日朝も18隻の漁船が合わせて500トン余りを水揚げしました。今月の水揚げは北海道東部の4つの港ですでに8000トンを超え、最近では昭和50年以来となる35年ぶりの豊漁となっています。漁業者の1人は「きょうも船いっぱいに取れました。この時期に北海道でさんまが取れるのは非常に珍しいです」と話していました。好調な水揚げが続く背景には、東日本大震災の被害を受け、東北地方の港が完全に復旧していないことも影響していて、漁業関係者によりますと、北海道東部では今月下旬まで水揚げが続く見込みだということです。