2011年11月8日23時19分
黄砂が飛来している日に体調の変化を感じる人は27.3%――。福岡市の1千人を対象にした市民意識調査で、こんな結果が出た。そのうち、アレルギー性鼻炎などの疾患を抱える人の多くが、黄砂で症状が悪化したと答えた。
大学教授や気象予報士らでつくる黄砂影響検討委員会で8日、市環境局が報告した。
調査は9月9日〜30日に実施。市内に住む13歳以上を無作為抽出し、性別と年齢が市の人口構成比と同じになるよう1千人を選び、556人から回答を得た。
黄砂で体調が変わるのは152人で、女性が29.6%、男性が26.0%だった。症状を聞いたところ、かゆみや充血など目の症状が78人で最多。別の質問で「アレルギーや呼吸器、循環器などの疾患が悪化したか」を尋ねると、69人(45.4%)が悪化したと回答。アレルギー性鼻炎や結膜炎、呼吸器疾患のほとんどに悪影響が出ていた。
自由記述では「黄砂の飛来そのものが減るよう中国に働きかけてほしい」(27件)、「テレビやラジオで正確で具体的な黄砂予報を伝えてほしい」(11件)、「黄砂の健康への影響や対策を教えてほしい」(30件)などの声があった。
福岡管区気象台によると、福岡市内で2010年に黄砂を観測したのは計16日。春先に飛来することが多い黄砂だが昨年は11、12月にも計6日あった。今年は3月と5月に計7日、観測している。