県警、整備士ら3人書類送検 07年のヘリ墜落事故(11/ 8 14:43)
2007年12月、静岡市葵区の沼地にNHKが契約するオールニッポンヘリコプター社(東京)のヘリが墜落し2人が死傷した事故で、静岡中央署と県警捜査1課は8日午前、ヘリが常駐していた新潟空港(新潟市)の基地で事故機の整備担当だった同社の40代の男性整備士、上司だった60代の男性整備課長(当時)の2人を業務上過失致死傷容疑で、事故機を操縦していた男性機長=当時(57)=を被疑者死亡のまま業務上過失傷害容疑で静岡地検に書類送致した。
整備士の送検容疑は事故前の07年7月ごろから、複数の操縦士が事故機の異常を指摘していたにもかかわらず早期に適切な点検を行わなかった疑い。整備課長は整備士から機体の異常について報告を受けながら、早期に適切な点検を行うよう指示しなかった疑い。機長はオートローテーション(エンジンを停止した緊急着陸)など、飛行規定に定められた、機体のバランスを取る後部回転翼「テール・ローター(TR)」故障時の非常操縦を行わなかった疑い。
捜査関係者によると、整備士と整備課長は同12月に大阪の整備工場で機体の定期点検が控えていたため、適切な点検などを見送ったという。事故機はTRが制御不能になって墜落し、体を固定するショルダーハーネスを装着していなかった機長が死亡し、同乗の女性整備士=当時(33)=が重傷を負った。
県警は今年4月、国土交通省運輸安全委員会が事故の最終報告書をまとめたのを受け、事故の過失責任について詰めの捜査を進めてきた。