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小惑星が地球に接近中―水が存在する可能性も


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 空母ほどの大きさの小惑星が米東部時間8日午後(日本時間9日午前)、地球に接近する見通しで、天文学者たちが追跡している。小惑星は月の軌道内を通過するとみられる。小惑星がこれほど地球に接近するのは35年ぶりだ。

AFP/Getty Images

小惑星「2005 YU55」

 米航空宇宙局(NASA)ジェット推進研究所の専門家によると、これは「2005 YU55」と命名された小惑星で、直径は約400メートル)。地球に危険をもたらすことは全くないという。

 小惑星は現在、地球に近づいており、最終的には地球から約32万キロメートル離れた地点を通過する見通しで、専門家たちがレーダーを使って監視している。小惑星がこれほど地球に近づくのは1976年以来35年ぶりで、小惑星の接近状況がこれほど詳細に事前通知されたのも初めてだ。

 天文学者の計算によると、小惑星は米東部時間8日午後6時28分(日本時間9日午前8時28分)に地球に最も近づくとみられる。NASAの専門家によれば、小惑星は暗いため裸眼では見えず、その引力も弱いので地球上の潮の流れや地震活動に影響を及ぼすものではないという。

 最も大きく表れる影響は、ひょっとすると地球上の天文学者たちが今週、小惑星の接近に興奮して出しているアドレナリンの量かもしれない。天文学者たちはNASAの「深宇宙ネットワーク」アンテナ、プエルトリコのアレシボ電波望遠鏡、その他の世界中の何百にも上る望遠鏡を使って小惑星を追跡している。

 NASAの地球近傍天体プログラム局の責任者ドナルド・ヨーマンズ氏は、「とても重要なタイプの小惑星を見るまたとないチャンスだ」と述べ、「多くの天文学者がかなり興奮して待ち構えている」と付け加えた。

 太陽系で最も古い天体の1種とされる、このような炭素の豊富な小惑星には、水や重要な鉱石が存在する可能性があるほか、地球上の生物分子の起源の謎を解くカギが存在する可能性もある。また、小惑星への有人飛行というNASAの現行の計画が実を結べば、人類の次の目的地になる可能性もある。

 ヨーマンズ氏は「これらの小惑星が惑星間旅行の際の燃料補給所や休憩所になる日がいつか来るかもしれない」と語った。

 太陽系には何百万もの小惑星が存在しているが、地球の軌道を横切るのはごくわずかだ。その中には約6500万年前に地球に衝突し、その余波で恐竜が死滅した大型の物体もある。この衝撃の爪痕は、メキシコのユカタン半島で直径約177キロほどのクレーターとして残されている。クレーターの大きさから推測して、衝突した物体は直径約9.6キロないしそれ以上だったとみられている。

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