ラストタイクーンと Mill Reef クロス
今週はスプリングS、若葉S、フラワーCが行われます。これが終われば本番の勢力図はほぼ明らかになります。馬場状態にもよりますが、現時点では大きな波乱はないのでは、と考えています。
スプリングSのローズキングダムとフラワーCのサンテミリオンは、配合構成がよく似ています。近い世代に、サンデーサイレンス、ラストタイクーン、Mr.Prospector、Mill Reef が共通しています。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007103404/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007102958/
┌ Mr.Prospector
┌○┘
┌○┤ ┌ラストタイクーン┐ ┌ Mill Reef
│ └○┘ └○┘
ローズキングダム┤ ┌サンデーサイレンス
│ │ ┌ Mill Reef
└○┤ ┌○┘
└○┘
┌サンデーサイレンス
│ ┌ Mr.Prospector
┌○┤ ┌○┘
│ └○┘
サンテミリオン―┤ ┌ラストタイクーン┐ ┌ Mill Reef
│ │ └○┘
│ │ ┌ Mill Reef
└○┤ ┌○┘
└○┘
ラストタイクーンは、キングカメハメハの母の父になったことで、このところまた存在感が増しているような気がします。芝向きのマイラーで小回りコースが得意、というタイプです。
http://www.pedigreequery.com/last+tycoon
現役時代はヨーロッパで走り、スプリンター(それも良績は5fのみ)として活躍していたのですが、何を思ったか3歳秋にブリーダーズCマイル(芝8f)に挑戦し、まったくの人気薄ながら鮮やかに抜け出して勝ってしまいました。サンタアニタの小回りコースを器用にこなした姿が印象的でした。
http://www.youtube.com/watch?v=mMmZbFmYmDY
キングカメハメハのレースでいちばん好きなのはNHKマイルCです。マイルにおけるあのスピードは「ラストタイクーンっぽい」と感じたものです。ただ、種牡馬となって産駒が出てみると、東京コースに強く、ダートを苦にしないので、Kingmambo 的な要素も色濃くうかがえます。
ラストタイクーンは、La Troienne 牝系を凝縮した Sex Appeal を父方に持つにもかかわらず、ダートがまるっきり下手なので、母方から受け継いだものが多いのではないかと推察されます。したがって、母の父 Mill Reef を強調した配合は悪くないでしょう。Adlerflug(独ダービー、ドイツ賞)や Viva Pataca(香港年度代表馬、ドバイシーマクラシック-2着)、そして Alinghi(豪で4つのG1を含むGレース9勝の名牝)の母など、ラストタイクーンを含んだ Mill Reef クロス馬は、ここ数年活躍が目につきます。
http://www.pedigreequery.com/adlerflug2
http://www.pedigreequery.com/viva+pataca
http://www.pedigreequery.com/alinghi
ローズキングダムは Mill Reef 5×4、サンテミリオンは母が Mill Reef 3×3なので、このパターンに当てはまります。
サンデーサイレンスとラストタイクーンの組み合わせから誕生した最高傑作は、父フジキセキの豪州産馬 Sun Classique(ドバイシーマクラシックなどG1を4勝)。同馬は Mill Reef クロスこそ持っていませんが、その母 Milan Mill のクロス(5×5)を持っています。やはりラストタイクーンに関しては、Mill Reef 近辺の血を強化するのが有効なテクニックのひとつではないかと思います。
http://www.pedigreequery.com/sun+classique
ローズキングダムとサンテミリオンは、Sun Classique と配合が似ています(近い世代でサンデーとラストタイクーンが共通)。気の早い話ではありますが、洋芝適性はあるでしょうし、オールウェザーを苦にするタイプとも思えないので、来年はドバイに行ってほしいですね。今週の競馬だけでなくこの先どんな競走生活を送るのか興味深く見守りたいと思います。
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