鉢呂経産相:辞任 「放射能」不適切発言で引責

2011年9月10日 20時16分 更新:9月11日 0時29分

会見で辞任を表明し、頭を下げる鉢呂吉雄経産相=経産省で2011年9月10日午後9時25分、手塚耕一郎撮影
会見で辞任を表明し、頭を下げる鉢呂吉雄経産相=経産省で2011年9月10日午後9時25分、手塚耕一郎撮影

 鉢呂吉雄経済産業相は10日夜、東京電力福島第1原発事故を巡る不適切な言動の責任を取り、野田佳彦首相に辞任を申し出て、了承された。内閣発足9日目に原発を所管する重要閣僚が辞任したことで、野田政権に大きな痛手となるのは必至。首相は後任の人選を急ぐが、野党は首相の任命責任を追及する構えで、首相は出だしから足をすくわれた。

 鉢呂氏は10日午後7時から、首相と東京都内の衆院議員宿舎で会談し、「内閣の発足直後で大変迷惑をかけるが、辞任の申し出をさせていただきたい」と自ら辞任を申し出た。

 同9時25分から、経産省で緊急に記者会見した鉢呂氏は「私の一連の発言で国民に、とりわけ福島県民に多大な不信の念を抱かせ、心からおわび申し上げる」と謝罪した。

 辞任理由として、8日に報道陣に「放射能をつけたぞ」との趣旨の発言をしたことと、9日の記者会見で原発周辺を「死の町」と表現したことを挙げ「大半は視察の中身の真剣な報告をしたが、不信を抱かせる言動があったととらえられた」と釈明。「放射能をつけた」との発言については「記憶が定かでない」と述べた。政府は10日夜の持ち回り閣議で、11日付で藤村修官房長官が経産相の臨時代理に就くことを決定した。12日に後任の認証式を行う予定。

 首相が早期辞任を了承したのは、鉢呂氏を続投させれば臨時国会が冒頭から立ち往生する恐れがあるためだ。自民党など野党は参院に鉢呂氏の問責決議案を提出する姿勢をみせていた。09年9月の民主党政権発足後、辞任・罷免になった閣僚は、柳田稔法相、松本龍復興担当相らに続き7人目となる。

 鉢呂氏は衆院北海道4区選出で現在7期。北海道新十津川町出身で、農協参事を経て90年衆院選で初当選。大蔵政務次官や民主党国対委員長、党副代表などを歴任し、2日に発足した野田内閣で経産相として初入閣した。【高塚保、和田憲二】

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