バングラデシュ・ダッカ(CNN) バングラデシュの科学・技術政策担当当局者は6日までに同国内の2カ所に原子力発電所を建設する協定をロシアと結んだと発表した。慢性化している電力不足の解消を狙ったもので、ロシアが資金供与し発電能力がそれぞれ1000メガワットの原発を建設する。
バングラデシュでは初の原発となる。ロシアの国営原子力企業「ロスアトム」が協力するもので、事業の調印式は首都ダッカで2日、バングラデシュのハシナ首相が立ち会って行われた。核燃料はロシアが供給する。
建設開始は2013年で、約5年後に完工の予定。建設場所は首都ダッカから北西へ約170キロ離れたループプール町。
東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所事故を踏まえ、巨大地震、津波の襲来や重量4000トンの航空機の墜落の衝撃に耐えられる安全対策を講じるとしている。ロスアトム幹部によると、二重となった原子炉格容器などを計画している。
バングラデシュでは電力不足が深刻で停電が数時間続くこともあり、産業界への悪影響は大きい。頻発する停電に反発した住民による電力会社事務所などへの襲撃も時々起きている。
同国の電力開発公社によると、電力供給を受けている住民は総人口約1億5000万人のうち半数となっている。1日当たりの発電量は平均5000メガワットで、需要に対し1000メガワット以上が不足している。