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フィギュアスケート女子の浅田真央(中京大)が、11日に開幕するグランプリ(GP)シリーズ第4戦、NHK杯(札幌)で新たなシーズンをスタートさせる。不本意な成績で終わった昨シーズンを踏み台に、2014年ソチ五輪へ。また「挑戦」が始まろうとしている。
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NHK杯の直前まで、同じ佐藤信夫コーチを師とする小塚崇彦(トヨタ自動車)とともに滑り込みが続く。
「まず、良い演技をすることだけを考えたい。(12月の)GPファイナルに出たいとか、今はそういう考えはないです。NHK杯が終われば、次は最終戦のロシア杯(25日開幕)。とにかく1試合1試合を大切にしていきたい」
昨季のGPシリーズはNHK杯で8位、フランス杯も5位と低迷し、2季続けてファイナル進出を逃した。GPシリーズで表彰台に立てなかったシーズンは初めて。4月の世界選手権も6位に終わった。
「昨シーズンはたくさんの方に心配をかけてしまった。ファンの方からメッセージや手紙ももらいました。自分にはまだ調子に波があって、そういった波を安定させていかないといけない。昨シーズンは2月の四大陸選手権(2位)まではすごくいい状態できたんですけど、そこからの調整がうまくいかなかった。震災の影響?それはみな同じです。とにかくトントン拍子にいかなければいけないところで、それができなかったのが反省点です」
佐藤コーチに習い始めたのは昨年9月から。当初は様子を見ながらだった指導も、本格的なものに変わりつつある。
「先生は昨シーズンに私をじっくりと見て、気になったところを重点的に指導してくれている。一番は、やはりスケーティング。例えば、『ひざをしっかり落として滑りなさい』とか、『もっとエッジ(スケートの刃)を深く入りなさい』とか、そういう感じです。詳しくは説明しにくいですけど。昨季も滑る時に上下運動をしないように注意されてましたけど、それは安定したジャンプにもつながってくる。でも、今すぐ変わることはできない。とにかく我慢をして、粘り強くやっていくしかないです」
対話も多くなった。外国人コーチと違って日本語で話せることで、指導の細かいニュアンスをくみ取ることができるようになった。もっとも、佐藤コーチと言えば、スケート界では厳しさで知られる人物だ。
「自分が疑問に思ったらすぐに聞くようにしている。例えば、ジャンプのカーブを描く時の状態や、まっすぐに跳んでいるかどうか、とかですね。(佐藤コーチの雷は)私には、まだ落ちてないですよ。もし先生の雷が落ちたとしても、私、気づかないかもしれないですね」
7月には自動車の運転免許を取り、中京大のアイスリンクには自分の運転で通っている。今までスケート一筋だった彼女にとっては、特別なことだ。
「運転って性格が出ちゃいますよね。すごく安全運転なんですけど、前の車とかが遅いと『モタモタしてるなあ』とか、幅寄せされると『なんでこっちにくるの』とか、1人でグチャグチャ言ってるんですよ」
練習でも、プライベートでも、ひとつひとつ階段を上りつつある。さて、今季のテーマは?
「うーん。なんだろう。うん、ソチ五輪への一歩。『一歩』にします」(構成・坂上武司)